そのままで・・・

「・・・ひっく・・・・っく!!・・・うっ・・」
夜遅く、少女の嗚咽が部屋の中に静かに響く。
いつもなら絶対に泣かないはずの少女。
今も泣き声が聞こえないように、布団に包まって一生懸命抑えている。
そんな姿がなお痛々しく見える・・・・・・。

今回の事件はものすごく後味の悪い物だった。
仲間が一人やられてしまい、そのせいで憎しみが生まれそのくりかえし。
仲間の暴走を止めに入ったリナ達だったが、止められなかった。
やっと止まったのは最後の最後。
本当に一番最後だった・・・・・・。
彼の問いに答える事も出来ず、彼をもっと早く止める事も出来ず。
・・・・・・・何も出来なかった。
「・・・・っく・・・・ひっく・・・・・」
ただ涙があふれる。
人前では我慢していた分出ているかのように。
・・・・・ガチャ
遠慮がちに、静かにドアがあけられた。入ってきたのはガウリイ。
こちらも苦い顔をしている。
「・・・って・・・・出てって・・・」
「いやだ、お前を放っておけない」
きっぱりと言い放つと、リナのベットに近づきベットの上に腰を下ろす。
しかしなんて声をかけていいのか分からず、一瞬間があいてしまう。
重い空気。
空気はこんなに重いものだったのだろうか。
ふとそんな疑問が心を霞めた。
「リナ、自分は何も出来なかったと思ってるんだろ?」
びくっ
リナの肩が震えたのが布団の上からでもはっきりわかった。
ガウリイはかまわずにもう一つ質問する。
「ミリーナが最後にルークに言った言葉わかるか?」
「・・・・そんなのわかるわけないじゃないっ!!ルークの問もわからない!!なんにもわかんない!!」
「それでいいんじゃないか?」
この場に合わないのん気な声。
リナはガウリイののん気さに腹が立った。
布団からがばっとおきあがってガウリイをにらみつけながら叫ぶ。
「・・・・っ!なんであんたはそんなにのん気でいられるのよ!?ミリーナが死んで!!ルークまであんなに!!」
ガウリイは苦笑するとリナの頭にぽんぽんっと手を置いた。
「俺は傭兵だったからな・・・・・・・」
「だからなによ!!」
ガウリイの手を思いきりはねつける。
涙は止まっているがいつもより赤い瞳。
ガウリイは再び頭に手を乗せた。
リナはもう一度はねつけようとしたがガウリイのもう片方の手に阻まれる。
「リナは本当に可愛がられて育ったんだなぁ」
そういって優しくにっこり微笑むガウリイ。
リナはガウリイが何を言いたいのかわからずただ腹が立つだけ・・・・・。
「だから何なのよ!!何がいいたいの!?」
「そのままのお前さんでいいって事だよ。人の事全部はわからないんだ、自分の事も全部はわからないだろ?」
リナは言葉が見つからず何もいえない。
言いたいことはたくさんあるはずなのに言葉にならない。
「ルークの事だって最後には止められたじゃないか、何もできなかったわけじゃないぞ。ほら、自信持て!」
少しだけ強くリナの背中を叩いた。
お互い向かい合っているので、リナはよろめいた拍子にガウリイの胸の中に収まる。
(・・・・・・・なんでだろ・・・・・・なんか落ち着く・・・・)
「・・・・・・・・少しだけこうしてて」
リナが聞こえるか聞こえないかわからないぐらい小さな声で呟いた。
「明日にはいつものリナを見せてくれよ?そうしてくれないとこっちがくらげでいられないからさ♪」
さっきとはうってかわっていたずらの成功した子供のようににっとガウリイが笑った。