MY PRINCESS

今日はと〜っても天気がいい。
天気がいいと機嫌もよいのか、リナがガウリイを誘って散歩に出た。
二人は仲良く並んで森の小道を歩く。
「なぁ、リナ」
「なに?」
「ん〜、呼んだだけ」
スパコ〜ン!!
リナは乙女の必須アイテム『すりっぱ』で思いきりガウリイの頭をはたいた。
「いって〜!!!なにするんだよ!」
「人の事呼んでおいて呼んだだけはないでしょうが!!」
リナは機嫌が悪くなりすたすたと先を歩く。
ガウリイはそれを後ろから追いかける形となった。
(・・・・・・言ったら怒るだろうなぁ・・・・・・)
どうやらガウリイには言いたい事があるらしい。
それも、リナが怒るような事。
一体なんだろう・・・?

「なぁ、リナ」
再びガウリイがおずおずと声をかけた。
「なによ」
リナの返事は冷たい。
また同じ事を繰り返すのだろうか?
「え〜っとぉ・・・・・・・・・・・・」
「なんなのよ!!」
「え、いや、やっぱりいい」
スパコ〜ン!!
今日は2度目のスリッパ攻撃。
そんな事をやっているうちにいつのまにか日が落ちていた。
暗闇の中、リナは先を早足で歩く。
ガウリイはそれをただ追いかけるだけ。

「・・・なぁ、リナ」
「・・・・・・・・・」
リナから返事は返ってこない。
ガウリイはもう一度声をかける。
「リナってば!!」
「ねぇ、ガウリイ。あたしのこと呼んでその度に何でもないって言ったの何回だと思う?」
妙に優しい声・・・・・・。
これは明らかに怒っている。
ガウリイは意を決して言いたかった事を口に出した。
「じゃあ、言うけど怒るなよな。おまえさっきから道に迷ってるだろ」
ぴきっ・・・・・・
リナの顔が凍りついた。
ギギギギギと変な音を立てながらガウリイのほうを向くと引きつった笑いを見せる。
「そ、そんなことないわよ?ただ、夜の森もたまにはいいかなぁって思わない?」
「ふ〜ん?本当は道に迷ってるんだろ?」
「違うってば!!」
道に迷っているのは一目瞭然。
どこをどうみても人が通った事もないような獣道。
ガウリイはいじわるくにっと笑った。
「じゃあ、帰ろうぜ?」
「・・・・・もう少し森の中にいない?」
「なんで?こんな真夜中に森になんか用はないだろ」
「たまにはいいじゃない?」
「やだ」
ガウリイはめずらしく即答。
リナは言葉に詰まった。
これ以上いい訳は通用しないと思ったらしい。
「そうよ!!道に迷ったの、悪い?」
・・・・・・今度は開き直った。
ガウリイは苦笑するしかない・・・・・・。
「おまえってほんとむちゃくちゃだよな・・・・・・」
「いいじゃない、それがあたしよ♪あたしの言った事はぜったいなのよ♪♪」
「はいはい、じゃあ野宿いたしますか?お姫様」
「いやよ、ふかふかのベットでねるわ」
「・・・・・・わがまま」
ガウリイがぼそっと呟いた。
しか〜し!!リナにはばっちり聞えている。
「何か言った?」
「べつに〜?はやいとこ町に戻ろうぜ」
「どうやって?」
「俺の勘でなんとかなるだろ」
「そう?じゃあお願いね、ガウリイ」
二人はガウリイの勘を頼りに街へと歩き出した。
二人が街についた頃には日が昇り始めていた。
リナはガウリイの背中の上で寝息を立てている。
「あ〜ぁ、自分で迷っておいて寝ちゃうんだもんな。俺の愛しいわがまま姫は・・・・・」
ガウリイが静かに呟いた─────

わがまま姫も今だけはかわいらしい眠り姫
起こす事ができるのはたった1人の王子様
今も王子様のキスを待っている?