一番を君に

ふよふよふよ・・・・・・・
月が綺麗なとある夜、つきに誘われてあたしは夜のお散歩に出ていた。
ちょっぴしマントの中身が重いのはおたからさんが詰まっているから♪
え?乙女のふか〜い理由があるのよ。
別にむしゃくしゃしてたから盗賊を襲ったわけでもないし、このところ襲ってなかったから禁断症状が出たわけでもないわ、決してね・・・・・ふふっ。
・・・・どうでもいいけど・・・・・・・・さっきから見られてるようなのは気のせい?
ふわぁ〜っ、すとん
適当な場所で地面に足をつけた。
「う〜ん、気のせい?」
周りを見渡しても別に怪しい気配はちっともない。
少し疲れてるのかも。
仲間とわかれてからぼーっとすごしてたし。
なんかこういうところで一人ぼっちでたつと変な気分がする。
「・・・・・・・・世界に一人で残されたみたい」
急に寒気が襲ってきて、あたしは思わず自分の肩を抱く。
少し冷たい風があたしの頬を撫でて通っていった。
あたりの草が風に揺られて音をたてる。
サ――――――ッ・・・・・・
ぶるっ
再び寒くなって肩を抱いている手に力をこめた。
そんなあたしに一つの影がかぶった。
・・・・え?
「まったく、こんなところにいたらさらわれますよ?」
どうせ空間でも渡ったんだろう、目の前にゼロスが立っていた。
腕を組んで機嫌悪そうに。
「誰にさらわれるのよ、このあたしが」
「たとえば・・・・・・・・・・僕とか?」
「うわっ、ちょっと!!」
優しくマントで包まれて、思わず声が上擦った。
くすっと笑われたのが振動で伝わってくる。
「さっきのリナさんは・・・・・・・・」
「あたしは??」
「月にさらわれてしまいそうでした」
あたしがつきにさらわれる!?
どっかのお姫さまじゃあるまいし・・・・・・・・・・・・・。
「迎えが来たって、自分で蹴散らすわよ」
そう言ってゼロスを押しのけた。
ちょっと寒くなったけど、別に季節的には寒い時期じゃない。
たぶん・・・・・・気持ちの問題・・・・・・。
名残惜しそうにゼロスの手が頬に伸びてきた。
「あの公達はきっと宝を持ってくれば本当に姫が手に入ると思っていたんでしょうねぇ」
さっきからゼロスが何を言いたいのかがわからない。
大体久しぶりに会ったっていうのに何なのよ??
「あなたは自分で宝を持ってきますからねぇ、参りますよ」
「・・・・・・・・はい??」
「どんな条件をクリアすればあなたを手に入れられますか?」
・・・・・・・・・・笑っていなかった。
何で気づかなかった?さっきから笑ってないじゃない。
ずっと紫の瞳があたしを見ていたのに。
もう片方の手が、すっと伸びてきてあたしの顔はゼロスの手におさまってしまった。
「さぁ、姫?どうか絶対に不可能な無理難題を事を言ってくれませんか?それを探している間はあなたを想う事を許されるでしょう、そして偽者を見分けられるあなたなら、僕がもし偽者を持ってきても気づいてくれる。そう、あなたを諦めざる終えなくなる」
なんとなく、ほんとになんとなくだけど言いたい事がわかった気がする。
ゼロスはただ困ってるのね、きっと。
自分の中の想いに。
あたしも困った。
仲間にも言えなくて、でも心配させたくなくて別れたんだから。
あたしはゼロスが一番だったから。
だからあたしの望むものはただ一つ。
「そうね、一番が欲しいわ」
「いちばん??」
「そう、一番よ。それがほしい」
「そんな簡単なものじゃダメです、諦められません」
悔しそうに両手を戻してしまった。
でもその手をあたしがつかみ返した。
「ねぇ、なんで諦めるのよ?」
「お姫さまは月に帰ってしまうのがお決まりでしょう」
「月に?」
「そう」
「蹴散らすって言ったじゃない」
「・・・・・・・・・しかし」
今度はあたしがゼロスの顔を両手に包む。
ちょっと背伸びしてぎりぎりだからつらいけど・・・・・・。
「あたしに一番をくれないの?」
「とっくにあなたは一番ですよ」
「ならいいじゃない、条件クリア、あたしを手に入れられるわ」
「・・・・・・あなたの一番は?」
「ゼロスだけ。だから誓って?あたしに・・・・・・・んっ・・・・」
腰に手が回ってきて、体が浮いたとたん口をふさがれた。
冷たい冷たい唇で。
「誓いましょう、一番をあなたに」
「ずっとよ?」
「はい、ず〜っとね」
抱きしめられているからか、それとも風があたらないからか寒さが消えた。
そしてゼロスに抱きしめられた自分を見て笑いがこみ上げてきた。
「ぷっ!」
「リナさん?」
「くすっ、結局あんたにさらわれたなぁと思って」
「嫌ですか?」
「嫌じゃないわ、寒くなくなったしね」
わからない顔をしているゼロスを横目に、あたしは笑いつづけた。
気持のいい風があたしの頭を撫でて過ぎ去った。
うん、もう寒くないわ。

たまには優しい感じで、ね?
どうでしょう??こういうのキライ??スキ??
あたしはスキかもしんない♪なんとなくだけど雰囲気がいいと思うので。
はぁ、なんてのどかなゼロリナ。
久しぶりに怖いのかきたくなってきた・・・・ふふふっ・・・。
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