睡眠薬
これから始まる夏休み!
・・・・・・・と、喜ぶ前に、あたしたち学生にはとんでもない敵がいる。
そう、期末テストという名のボスキャラが。
もっちろんあたしには関係のない話なんだけどね♪
だってこのリナ=インバースがたかが期末ごときできゃぁきゃぁ言うと思う?
普段から割とまじめに授業受けてるんだから大丈夫に決まってるじゃない。
問題はあたしの愉快な仲間たち。
もとい、ガウリイ、アメリアである。
ゼルは問題なし!!
ガウリイ君いわく「あっはっは、俺は勉強じゃなくて運動で推薦で入ったからなぁ」と言ってテストから逃げてる。
アメリアちゃんいわく「正義の心があればいいのです!!」らしい。
ほんとうにいいのかそれで・・・・・・。
なにはともあれ、期末テストがやってきた。
チャラララーン♪
我が校のおかしなチャイムが響いた。
回りに座っている友達は緊張のせいか目が据わっている。
あ〜あ、アメリアなんか目に炎が・・・・・・・・・あつくるしい。
ガウリイは・・・・・・・・・・・・・・あ、寝てる。
ま、まぁ、マークシートだしなんとかなるわよね・・??
額に流れる冷や汗は無視して、あたしもテストにとりかかった。
ざっと問題を見まわす。
よし、これなら大丈夫。
そう確信して、割と余裕を持って問題に取り組めた。
今日のテストは3教科あり、問題は一気に配られる。
最大で2時間半。
最短で1時間。
テストが始まって1時間すれば、自由に帰れることになっていた。
もちろん、一回席を立ったら戻れないんだけどね。
毎度の事ながら、早く終わったあたしは一時間ジャストで教室を出た。
ガラガラーッ
静かにあけたいのにこのドアって絶対にすごい音がするのよね・・・・・。
ドア付近の生徒の冷たい視線を感じつつ、まっすぐに学生ホールへと向かった。
タ・・・・タ・・・・タ・・・タ・・・・
一人で歩いている廊下はよく足音が響く。
「・・・・・・・学生ホールも誰もいないんだろうなぁ、ふぁ〜ぁっ」
小さくぼそっとつぶやいて、あくびをする。
ここのところバイトの後に勉強をしてたから睡眠時間が少ない。
どうせ後一時間は誰もこないだろう。
「学生ホールで寝ようかなぁ・・・・・・・・」
なんだかまぶたが重い。
歩きながらも頭が半分寝ているような気がする。
段々と遠ざかる意識を引き戻して、なんとか学生ホールへとたどり着いた。
すぐに寝心地のよさそうな席を見つけると、そのまま夢の中へとおちた。
ん・・・・・・・・??なんか寝心地が良くなってるような。
うっすらと目を開くと、回りが45度曲がっていた。
「うわっ!?」
急いで飛び起きるあたし。
・・・・え?起きあがった??
テーブルに突っ伏しているはずなんだけど??
「あ〜あ、まだ寝てていいぞ?」
隣から降ってきた声はガウリイだった。
にっこりわらってじぶんのひざをぽんぽんっと叩いている。
なるほど・・・・・・そういうことね。
「いつから膝枕なんてしてたのよ?」
赤くなりそうな顔を必死に押さえて、不機嫌そうに聞く。
こんなことしてもあたしが恥ずかしがっているのはばれるんだろうけどさ。
「リナが寝てすぐだと思うぞ?」
そう言うと、無理やりあたしの頭を押して、ひざの方へ倒された。
ころんと簡単に倒されたあたしは驚いて何も言えなかった。
「・・・っ!?」
「寝てろよ、ここんとこバイトだったろ?」
ぽんぽんとあたまに手をやる。
結構これって落ちつくのよね・・・・じゃなぁ〜い!!
「ちょっと!いいってば!!それよりテストは??」
「野生の勘でなんとかなるだろ、おやすみ」
なでなで・・・・・
「ガウリイ!!は〜な〜せ〜」
なでなでなで・・・
「ね〜ってば!」
なでなでなで・・・・
「・・・・・なんなのよ、まったく!」
なでなでなでなで・・・・
「・・・・・・ねむい・・・」
なでなでなでなで・・・
「・・・・・ZZZzzz・・・・・」
し〜ん・・・・・・・
なでなで・・・・・
「お?ようやく寝たなぁ、たまにはこれくらいさせてもらってもいいよな♪」
余っている手でリナの手を握り、いつまでも撫でつづける。
「なでなでが一番の睡眠薬って本当だったんだぁ・・・・・・」
しみじみつぶやくと、自らも夢の中へと落ちた。
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