マリア

ここに来たのはあれが最後でしたっけ。
愛すべき人あの人に傷を負わせたあの日・・・・・・・。

ふと回りを見渡すと、様子が変わっている事に気がついた。
時間の感覚がない僕らは周りに変化に鈍い。
感情の変化は察知できても視覚的な変化は逃しやすい。
それで見逃したのでしょうね、この町がつぶれている事を。
始まった町、そして終わった町でもある、僕には特別なトコロ。

久しぶりに会ったリナさんはあまり変わっていなかった。
変わっていたのは隣に人がいないこと。
少し首を傾げつつ聞くと、あなたは悲しそうに言いましたよね。
「ふっちゃった」
「リナさんが、ですか?」
ガウリイさんの好意には気づいていましたけど、リナさんだって好きだったはずでは。
口には出しませんでしたけどそれに気づいたらしいリナさんは苦笑いをした。
「ばかね、好きだったら一緒にいるわよ今だって」
そんな話をしていたのは丁度この町の入り口近くのレストラン。
再び出会って目が合った僕らは激しく幕が開けていった。
それでも全てには必ずいつの日にか終わりがやってくるものなんですよね。
あんなに想っていたはずなのに、僕らは静かに幕を下ろしました。
結局は想っていても仕方のないことだってあるんです。
あなたは最後まで僕を愛してくれました。
だけど僕には最後がない。
いつまでも いつまでも・・・・・・・。

あなたといて時につよい孤独を感じ。
だけどけっきょくはあなたに何もかも満たされて。
時に深く深い傷を負い やはりあなたに癒された。
わかっていた事でも信じていたかった。
だから僕はあんなに祈ったんですよ。
これが最後の恋であるように。
ずっと続くように。
「ごめんね、ゼロス」
最後のあなたの言葉は僕を気遣ったものでしたね。
笑わせてあげたかったのに・・・・・・・。
泣き顔で終わらせたくなんかなかったんです。
最後の最後で傷をつけてしまった。
リナさんの悲しそうな顔が離れない。
目を閉じればかろうじて見える笑顔。
でもそれはすぐに悲しい顔にすりかわってしまう。

つぶれた町のすぐそばの丘で僕はいつまでも立っていた。
目の前にあるのはただの四角い石。
そこには名前も彫っていなければ花も添えられていない。
僕だけが知っていればいい。
僕が忘れなければいい。
ここに眠っているのは特別な人。
石をそっと撫でて、瞳を閉じた。
「終わりはいつだってわけを持つってほんとでしたねぇ、リナさん」
そういった僕の頬を、慰めるように風が凪いでいった。

これもあなたが癒してくれるんですか?
また満たしてくれないんですか?

マリアっていい響きですよね〜?
なんとなくゼロスのマリアはリナかなって思って、出来た話ですね。
ま、死んじゃったんですけどね(爆)
たまにはいいかな、こういうのもさ♪
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