中の・・・

「いぇ〜い!!!やっぱこうでしょう♪」
枕を抱え、布団の上に輪になって座ったあたしは上機嫌で叫んだ。
もちろんここは修学旅行先♪
夜と言えば・・・・・・ふふっ!枕投げ!!
っていうのが定番なんだけど、それも飽きたので急遽怪談話に。
これも定番と言えば定番なんだけどねぇ・・・・・・。
ま、楽しいからよし!!
いつものメンバーであたしとアメリアの部屋にいるんだけどこれってちょっと気まずい。
だってアメリアとゼルはたぶんできてるのよ。
でもあたしとガウリイは別に何にもない。
小さいころから一緒だったし、今更好きと言う感情はないのよ。
あっちもそうだと思う。
チラッとガウリイを見ると不思議そうな顔をした後ににぱっと笑う。
ほらね?別に特別どうこうはないでしょう?
「誰から話しましょうか?」
アメリアがちょっと眠たそうな目をこすり、話を切り出した。
となりのゼルはそれを気遣ってかお茶を渡す。
「ほら」
「あ、ありがとうございますぅ」
ら・・・・らぶらぶ・・・・・・・・
はっ!こんな事ではもたないっ!
いっそのことガウリイといちゃついて・・・・・・・・・・・無理よね。
そんな事を考えてるうちにどうやら話は進んだらしい。
ガウリイが立ちあがって電気を消す。
段々とそれっぽいムードになる。
もちろん怪談話のムードよ!?
「それじゃぁ俺からでいいんだな?」
念を押すゼルに、全員が頷いた。

「あれは少し前の事だったんだが・・・・・」
「え?実際にあった事??」
身を乗り出すあたし。
だって本物の怪談話なんて早々聞けないでしょう?
これは楽しみね。
「まぁ、聞けって」
「リナはせっかちだからなぁ」
「だめですよ、リナさん」
「はいはい、ゼル続き」
「途中で止めるなよ?いいな?」
再び全員が頷き、あの恐怖の話を聞く事となった・・・・・・。

いつものとおりの学校がえり。
俺はアメリアを送りに家まで歩いていた。
もちろん送るんだからアメリアも一緒に。
お金持ちの家に生まれたアメリアはもちろん最初は車での送り迎えがいたのだが、彼氏として紹介されたつぎの日からそれは俺の役目となった。
願ってもないことだった、だってそれは公認された事になるだろうからな。
アメリアの父、フィルさんの受けが良かったのかその日は家に泊めてもらう事になった。
豪華な夕食の後、俺は用意された客室ではなくアメリアの部屋にいった。
もちろんやましい気持ちはこれっぽっちもなかったぞ!!
アメリアが部屋を見せたいと言ったからそれで行っただけだ。
アメリアから誘われなければそんな、女のこの部屋になんて行くか!
なにはともあれ俺はアメリアと楽しく話をしていたんだ。
まぁ、二人でいればそんな気持ちにもなるもので・・・・・・・・・・。
いつのまにかベットに座るアメリアにキスをしていたんだが・・・・。
ま、まぁ、ふとした拍子に押し倒したような形になってしまった。
べ、べべべべべつにやましい気持ちはなかったんだぞ!!本当に!!
とにかく!
いい雰囲気の俺達はしばし見詰め合った。
忍び寄る冷たい気配になんて気づかずに。
そいつはどんどんドアに近付いていたらしい。
キィーー・・・・・・・・・・・・・・・・
静かに静かにドアの音がした。
はっと押し倒したような形のママ振り返るとそこには!!
「あ・・・・・・・・・父さん!」
「あの・・・・その・・・・これは・・・」
「はっはっは!」
急に笑い出したフィルさんについていけずに俺は表情が固まったまま。
フィルさんはゆっくりと俺達に近付くと何かを確認して大きくうなずき、再びドアに手をかけた。
「いや、パンツに中のものが出ていなければいいんだよ」
バタン・・・・・・・・

これはなんだろう、冷たいと言うか寒いと言うか・・・・・。
そんな感覚が背中を走った。
ガウリイなんか珍しく顔が引きつっている。
「あ・・・あはは・・・・・タイミングが悪かったのね、ゼル」
「まぁな、あんな怖いおもいはした事がない・・・・・・・・」
「私も凍り付きました・・・・・」
「俺も言われたことあるな、それ」
「はいっ!?」
即座に声を出したためあたしの声は裏返っていた。
でもそんなことは気にしていられない。
誰といちゃついてたのよ、こいつ。
目線が語っていたのか、ガウリイがあたしの頭に手を置いた。
ぽんぽんっと。
「お前さんのねーちゃんにたまたまあったときにな」
「はい!?」
「うちに顔出すのはいいけど下着の中は出さないで下さいねって・・・・・」
ひゅるぅ〜・・・・・・

今晩は本当に寒い。
っていうか背筋が冷たい・・・・・。

うわぁ〜、こわいですねぇ・・・・・。
嫌ですねぇ・・・・、はぁ。
これって本当にあった怖い話だったりします( ̄Δ ̄;)
まぁ、誰の話かは言いませんけどねぇ。
あたしかもしれないし、友達かもしれないし、先輩かもしれない、ふふっ・・・。