みつばち
周りに見えるものすべてがよく見えた。
なぁんか、あっちにもこっちにも手をつないで幸せそうにあるってる人ばっかり。
実際はどうなのかわからないけど今のあたしには幸せそうに見えるのよ。
ついさっきまではあたしだって手をつないでたのに・・・・・。
冷たくなった左手はポケットに突っ込んである。
右手には携帯。
来るかどうかもわかんないのに持ってるのよね・・・・。
はっきりいっちゃえばガウリイとけんかしたの。
別にたいしたことじゃない。
いつもの、ものすごぉ〜くくだらないけんか。
理由だって忘れるほどに。
いつもならあたしが悪くてもガウリイが悪くてもあっちからメールでごめんがきておわり。
なのに今日は3時間たってもこない。
かといってあたしから送るのはできない・・・・・。
なかったことにもできない・・・・。
「どうすればいいのよ・・・・・・・・・・ばぁか」
携帯に向かってそういって、それごと右手をポケットに入れた。
もう寒いのはいや。
手の感覚が半分なくなるぐらいに冷えちゃった。
早く帰って紅茶でも飲もう。
ミルクとはちみつでも入れて幸せ気分に浸ろう。
ほんの少しだけ軽くなったその足取りと心は、もう紅茶にだけ向いたようで幸せそうに歩く人なんて目には入らなくなっていった。
なによりふと見える窓に映ったあたしもほかの人の笑顔と大して変わらないのだ。
「もう少ししたら許してあげようかな」
ちょこっとごきげんになってきたあたし。
家まではあともうちょっと。
まっててねあたしのはちみつミルクティー♪
てぃろりろっ〜てぃ〜♪
てぃてぃろりろ〜♪
『リナのうちの前にいる、はちみつ持ってきたから早く帰っておいで Byくらげ』
「な・・・なによ今ごろ!!うちのまえなんてずるいじゃない」
再び携帯にしゃべるあたし・・・・・。
文句をいいながらも、ミツバチなあたしは返事を返した。
『うん』
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