お兄ちゃん
もぐもぐもぐ ぱしっ
もぐもぐもぐ ぱしぱしっ
「おい、リナ。俺の手を阻むな」
「てへ♪」
もぐもぐもぐ
ぐさっ
「いって〜!!フォークがかすったぞ!!」
「あ、ごっめーん」
もぐもぐもぐ
ひゅん!びよよ〜ん
「おひ・・・・フォークが飛んで壁に・・・・」
もぐもぐもぐ
「まったく。色気もなにもないんだからお前さんは」
「うゆひゃいわえ!!」
「飲み込んでから言えって・・・・」
もぐもぐ
ごっくん
「だってせっかく用意してくれたんだから早く食べたいじゃない?」
「うれしい?」
「え・・ま、まぁ」
「まあまあ?」
「う・・・うれしい」
「そっか、おめでとうリナ」
いつものように頭をなでられた。
けっこうコレがすきなのをガウリイは知らないだろう。
目の端に入ったケーキをチラッと見るあたし。
もう、言ってしまおうか?
それとも食べ終わってから・・・。
でもなんとなくいい感じだし。
えぇ〜い!言ってしまえリナ=インバース!!
急に早くなった鼓動を無視してガウリイを見つめる。
うるさい心臓がやけに聞こえる。
言える、大丈夫。
「あのさ」
「ん?さきにケーキ食べるか?」
「そうじゃなくってぇ・・・」
「こうちゃ?」
「ちがうって」
「杏仁フルーツ?」
こいつはあたしをなんだとおもってるんだ。
確かに食べたいので完全に間違っていることもないけど・・・。
両手をぎゅっと握り締める。
「あたし、さ」
そういった瞬間ガウリイが一瞬目をそらした。
ばれた!?もしかしてこういう雰囲気じゃばればれ?
と思ったのもつかの間、ガウリイが手に持っていたのは・・・。
「シャンパンあけたかったんだろ?」
なんか話をそらされてる気がする。
気のせいかな。
言わなきゃ。
もうここまで来たら言わなきゃ!
シャンパンの蓋に指をかけたガウリイの手をつかんだ。
「待って、そうじゃないんだって」
「おなか痛いか?」
「ちがう」
「どうした、真剣な顔して?」
本当はわかってるんじゃないか?こいつ。
でもいわなきゃ。
このままなんてやだ。
手に汗を感じる。
かまわずあたしは続けた。
「今日は祝ってくれてありがとう」
「なんだ、そんなこといいって。な?」
あたしがつかんでいた手をそっと離して、頭をなでた。
この手が欲しいよ、がうりい。
あたしだけにしてほしいの。
なでられた手に勇気付けられて、その先を口にする。
「ガウリイが好き」
「リナ?」
「男の人として好き」
言うだけ言って下を向いた。
それでも渋く閉じられたガウリイの口元だけは見えた。
冗談にしてしまおうか。そんな思いが掠める。
だって、これで気まずくなるなんていやだ。
このさい冗談に・・。
「リナ」
びくっと震えてしまったのが自分でわかる。
コワイ
「リナ」
ぽんっと頭に手が置かれた。
「お前さんもおっきくなったんだな。いつまでも小さい女の子のわけないよな」
どこか自分に言い聞かせているように聞こえた。
そのかんにもあたしの心臓は壊れそうなくらい鳴り響いている。
上、むかなきゃ。
そう思っても体はぴクリとも動かない。
「俺はリナがかわいいと思ってる」
「え・・・?」
ゆっくりと上を向いてガウリイの瞳を覗いた。
もしかして・・・・・・。
「かわいくてかわいくて仕方がないんだ」
「それって」
キス・・・・できるのかな。
自然と視線が少し下がった。もちろん唇へと。
「リナ」
「ガウリイ?」
「・・・・・・・・ごめんな」
「・・・・え?」
「かわいすぎて、俺の好きは
保護者の好きだ。はっきり言うのはひどいと思う。でもお前さんには言わなきゃいけない気がしてさ」
「・・・そ・・・・っか」
「ごめんな」
再びあたしの頭の上に手がおかれた。
胸が痛い。すっごく痛い。
ガウリイが触れたところから痛みが広がってゆく。
「ごめん」
ゆっくりゆっくりなでる手つきはいつもどおりなのに、あたしたちの関係は壊れてしまった。
それでもここを動けなかった。
言うんじゃなかった。こんなことなら気づかなきゃ良かった。
「リナ、ありがとう」
「・・・っく・・・ありがと・・なんてっ・・いらないっ!」
「ごめんな」
涙だけは出したくなくて、懸命にこらえた。
これ以上子ども扱いされたくない。ないちゃいけない。
「ごめん」
ガウリイは何度も何度も頭をなでた・・・・・。
ごめんな
お兄ちゃんはう言って優しく頭をなでた
ごめんなってなんどもなんどもいいながら・・・
あたしは妹のようなもの
彼はあたしの愛しいオニイチャン
|