コトダマ
別に嫌いなわけじゃないのよ?
一人でいるときはそう思えるし、呟いたりだって出来るんだから。
「好き・・・・・なんだよねぇ」
小さくしかでないのではあるが、確かにリナは呟いた。
ほほだって赤くならないし、瞳だってきょろきょろとはしない。
いたって冷静に呟けるのだ・・・・・・一人ならば。
しかし・・・・。
「あいつの前だとなんかねぇ・・・・・・・」
はふぅっと息を漏らす。
どうしてもいえないあの一言。
言わなきゃいけないと思ったときもいえない。
それどころかいわなくていい理由ばかり探して・・・・。
「だって魔族だし・・・いらないじゃない?」
うんうんと一人で頷く。
あまり質のいいとはいえないベッドの上で、右手ではくるくると髪をもてあそびながら。
ゼロスには触らせない自慢の髪。
でも触ってほしくないわけじゃぁ・・・ない。
「何か意味があるわけじゃないんだよね、言ったり触ったりって」
本当にそうなのだろうか?
口ではそういってはいるが先ほどのように頷きながらではない。
もちろんかみはくるくるしたままで。
もう片方の手を空間へと伸ばす。
「触れたいのって理由ある?」
何もないはずのところに手を伸ばして、言ったつもりなのだが・・・・。
「ないんじゃないですか?」
声とともにぐいっと上へ手を引っ張られた。
「うへ?」
驚きの声も無視で無理やり引っ張り上げて抱きしめる影。
「え、ちょっと!?」
「独り言はもう少し小さく言いましょうね」
ゆっくりとベッドの上へと下がりながらゼロスは苦笑した。
リナの上にはのしかからずに隣へと転がった。
すばやく腕をリナの頭の下に入れて空いた手を服の中へ・・・・
「どこさわってんのよ!」
ばしっ!
・・・・・うまくはいかなかったらしい。
「それより、なんでいるのよ」
「いやぁ、言葉に引き寄せられて」
「は?」
「魔道士がなにをいってるんですか」
ふにっとほほをつかんだゼロス。
さほど抵抗もしないリナにやはりちょうしにのって・・・・・・
ばしっ!
ふたたびうまくいかず・・・・。
ちっと言う顔をしながらも言葉を続ける。
「言葉に力があるから呪文があるのでしょう?」
「あ〜、簡単に言うとそうだけど。なんでもかんでも力があるわけじゃ」
「人間には気づかないような小さな力を持ったものもあるんですよ」
「ふ〜ん」
納得のいっていないだろうリナに短く、そして強い言葉をささやいた。
「好きですよ」
「なっ、きゅうに!」
「ほらねぇ、ききませんでした?」
いつもの人のよさそうな笑みで笑われると余計に腹が立つもので。
リナはゼロスのほほをふにふにとつねりあげた。
もちろん物理的効果はないのはわかってはいる。
半分は冗談で半分は動転して・・・。
そんなリナを子供を諭すように頭をなでながら耳元へ口を寄せると。
「僕にも効くの、しってました?」
そういいながらも今夜は勘弁するつもりのゼロスでした♪
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