お試し期間
「さぁ言いなさい!てきぱき言いなさい!さっさと言いなさい!!きっぱりすっぱりなんでもいいから言いなさい!!」
「そんなに念を押されなくても言いますよ・・・・・・」
ゼロスは少々げんなりした様子。
一方リナは・・・・・・・・あえて伏せておこう。
すごい顔をしている、とだけ言っておきます・・・・・・。
「じゃあ、さっさと言え」
こちらはゼルガディスだが、静かなる怒りが感じられるのは言うまでもない。
隣に座っているアメリアはなぜか手の中にメガホンが!?
ゼロスの背中につつ〜っと冷や汗が流れた。
「あの〜、アメリアさん?つかぬ事をお伺いしますが・・・・それってまさか・・・・・・・」
「えぇ、そのまさかです ふふっ、私のアレンジ版生の賛歌を聞きたくなかったら早く言って下さい」
にっこりと天使の様に微笑んだアメリアの口から出たのはゼロスにとって悪魔のようだった。
見る見る青くなったゼロスはこくこくこくっと首を縦に振った。
「もう、みなさんせっかちなんですから・・・・。いいですか?あれは資格を取る試験なんですよ?」
「だからなによ」
「2次試験があるに決まってるじゃないですか」
「・・・・・は?」
「・・・・・え?」
「・・・・・それって・・・・」
「2次試験に合格しないとそれは使えません。もし不合格した場合は自然にとれます」
「早く言え〜!!!!!」
「でも、お二人の力があれば2次試験なんて合格しますよ?」
「2次試験は何が出るんだ?」
「筆記は終わりましたから、実技です。レッサ―デーモンを100匹と中級魔族3匹を倒していただきます」
「・・・いくらあたし達でもそれは無理でしょう・・・・・一人で戦ってたら体力持たないわよ」
リナが言い終わると同時にうなずくゼルとアメリア。
ガウリイはもちろん眠っている。
それはもう気持ちよさそうにぐうぐうと・・・・・・・・・。
「一人で戦えなんて言ってませんよ、合格者全員で戦うのです。ね、簡単でしょう?」
「わざと負ければいいんじゃない」
「ほぉ、死を選びますか」
「・・・・え、魔族になるか死ぬかしか選択肢はないの?」
「ないわけじゃないですけどぉ・・・・・・リナさんは無理でしょうねぇ」
「なんでよ」
「一応、2次試験にも制限時間があるんです。その時間内に生き延びて、しかも倒さずにいるなんて出来ます?」
「うっ・・・・・・・」
言いよどむリナにゼロスの突っ込みはまだ続く。
「一匹や2匹倒した所で合格にはなりませんけど、リナさんだったらどうしても二桁は倒してしまうでしょう?」
「いいじゃない、2,30匹ぐらいは・・・・・」
「補欠合格しちゃいますよ?」
「・・・・・・・・・・・・・」
「ほらほら、一緒に魔族しましょう♪楽しいですよ〜?」
「・・・・・あ・・・・2次試験はいつなの?」
急に何かを見つけたみたいに表情を明るくするリナ。
その変化に気づきながらも理由がよくわからないゼロスはとりあえず日時を教える。
「ちょうど一週間後ですけど?」
「・・ふっ・・・・ふっふっふ・・・・・・ふふふふふ、助かったわ!!」
「助かる方法があるのか、リナ?」
「俺、知ってるぞ〜」
むくっと起き上がってガウリイがにぱっと笑う。
4人が一斉にガウリイへと視線を向けた。
そして・・・・・
「・・・・ぐ〜・・・・・・ぐ〜・・・・・・」
がくっ・・・・
「何よ、紛らわしい寝言いわないで・・・・・・・・」
「で、なぜ助かるんですか?」
「アメリアならわかるわよね?」
「え〜っと、わからないです・・・・・」
「一週間後よ?何があると思う?確かアメリアも一緒でしょう」
「えっと・・・あ!!わかりました、確かに魔族にはなれませんね。ただ・・・・」
「そう、生きて逃げられるかが問題なのよ」
「あの〜・・・僕にはよくわからないんですが・・・・・」
「俺もわからん」
少し困惑気味のゼルとゼロス。
わからなくても無理はないのだが、知らないわけではないだろう。
はたしてアメリアとリナがいうかどうか・・・・・・。
「男にはわからないわよ。ね、アメリア」
「そうです、わからなくていいんです!!」
「男には?・・・・・あ、そういうことですか・・・なるほど・・・」
「な!?なんで魔族のあんたが知ってるのよ!!」
「僕だって子供じゃないんですから知ってますよ・・・・・」
「あ、もしかして・・・」
「あ〜!!ゼルまで気づいちゃったじゃない!!」
「やっぱりアレか・・・・」
「アレですね」
今度は妙に納得顔のゼルとゼロス。
やっぱり気づいてしまったらしい・・・・。
「そうなると、なおさら生きて逃げるのは大変でしょうねぇ。どうするんですか?」
「どうせあんたは助けてくれないんでしょう?」
「当たり前じゃないですか、なぜ僕が仕事でもないのに助けるんです?」
「そう言うと思ったわよ。その代わり手も出さないわよね?」
「もちろん、僕は監視するだけですよ」
「じゃ教えてあげる。アメリアとゼルに防御結界をはってもらうのよ」
どうだと言わんばかりに得意げなリナだが・・・・
「たかが二人で作った結界なんてすぐに破られますよ」
ゼロスの突っ込みは厳しかった・・・・・。
しかし!こんなことリナだってわかっている。
ちゃんと策はあるのだ♪
「フィリアも呼ぶわ。あんたに騙されたって言えば惜しまなく協力してくれるからね♪」
「そうすると、ミルガズィアさんもくるかもしれんな」
「百人力ですね!!」
「・・・ふ〜む・・・・・つまらないですねぇ。もっと苦しむ姿が見たかったのに」
そう言うと、ゼロスはいきなり姿を消した。
『一週間後のテストは無しです。そんなつまらないテストなんて意味ないですからね。暇つぶしにもなりませんよ』
姿は見えないが、呆れたようなゼロスの声だけが聞こえた。
その後はもう何も言ってこない。
どうやら帰ったらしい。
「・・・あ、腕輪も消えてる」
「俺のも消えたか」
「よかったですね、リナさんゼルガディスさん!!」
こうして事件はあっけなく終わった。
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