至上の男

あたしがガウリイと一緒に旅を始めてからすでに20年が経っていた・・・・・・・・・。
あいかわらずあたしたちは気ままなたびを続けながらトラブルにまき込まれたりしている。
ガウリイは40才を超え昔より渋さが加わり、尚且つ賢くなった。
と、言っても「くらげ」から「たこ」に格上げしただけだけど・・・・・・・・・・。
ん?格上げになってないって?いいのよ、言いやすいからタコにしただけだからさ。
あいかわらず綺麗な金髪に蒼い瞳の美形なのでいまだに若い子からもててるのよ、まったく!!
一方あたしは・・・・・・・・・・・・全く年をとっていない。
あたしの時間が止まったのはおそらく20才前後だと思う。
あの頃から一定の長さまでいくと、髪も爪も伸びなくなったのよね。
もちろん、切れば伸びるわ。ただし一定の長さまで、ね。
年をとらないのは魔力の高い魔道士には珍しい事じゃない。
最初あたしは魔力のせいだと思っていた。けど、それならば髪や爪は伸びるはず・・・・・・・・・。
すなわち、魔力のせいではないと言う事になる。
それがわかったときにすぐにでもガウリイから離れようと、いろいろな作戦を行った。
例えば、夜中にいつもの盗賊いじめに出かけてそのまま帰らないとか。
ガウリイを魔法陣に閉じこめて思いっきり遠くに行ってから魔法をとくとか・・・・・・・・・。
他にも試したけど、結局はガウリイに捕まってしまった。
その度にあいつは泣きそうな顔をしてあたしを抱きしめる。
なんでガウリイはあたしみたいなのを好きなんだろう。
ふと隣を歩いているガウリイを見ると、目が合った。
「ん?どうした?」
ガウリイはにこにこしながらあたしに問う。
「・・・・べっつに〜」
わかってるのかなぁ、こいつ・・・・・・・・。
あたしと一緒にいるって言う事がどういうことか。
あんたを危ないめに合わせたくないからあたしは離れようとしてるのに・・・・・・・・・・。
今だって頭の片隅ではどうやって離れようか考えてる。
でも、その度にあいつの泣きそうな顔が浮んでくるのよ・・・・・。
「・・・・・はぁ〜・・・・・」
思わずあたしは大きなため息をついた。
それに気づいたガウリイはいきなり場所も考えずに・・・・・・・・・・抱きしめた。
「・・・・・・またどっかに行こうとしてるのか?」
頭の中に浮んだ顔と同じ表情。
・・・・・そんな顔されるとこっちが困るじゃない。
あたしが返答に困っているとガウリイが更に不安げな顔になる。
「3日前だってどっかにいこうとしただろ、なんでそんなに離れたがるんだよ・・・・・・」
「・・・・・・・・・あんたが危ないからよ、何回も言ってるでしょう?」
「そんなのわからない」
「あのねぇ、あたしといるとこれから先死ぬまでずっと魔族に狙われるのよ?」
何回同じ言葉を言ったんだろう。
もう数えられないくらい同じ会話をあたし達は繰り返している。
そうしていつもガウリイがあたしを困らせる。
「リナといられるならそれでもいい。おまえがいなくなるほうが恐いよ」
何回も言われてるから慣れてもいいはずなのに、聞くたびにこの言葉には胸が苦しくなる。
あたしだってガウリイと離れるのは恐い。
朝起きても隣にガウリイがいないときは寂しくなったりする。
でも・・・・・・・・・。
「・・・・・俺の事、もう嫌いになったのか?」
泣きそうな声で言わないでよ。
「そうだよな、俺は年くってるし・・・・」
そんなの関係ない。
「今は平気でもいつかは足手まといになる時が来る・・・・・」
そんなのかまわない。
「なぁ、リナ。俺の事嫌い?」
「・・・・・・・嫌いじゃない」
「俺の事心配してくれるのは嬉しいけど、そのせいで離れるのは嬉しくない」
「あたしだってすきで離れようとしてるんじゃないわ」
「俺が危険だからだろう?」
「わかってるなら・・・」
「俺だけ安全でも嬉しくないよ」
嬉しい嬉しくないなんて問題じゃないのに・・・・・・・・・。
あたしが黙っているとガウリイが腕をゆるめてあたしを解放した。
ガウリイから離れたら急に寒くなった。
「俺から離れるなら、俺を殺してからにしてくれ」
とんでもないガウリイの言葉にあたしは驚いた。
「そんなのできるわけないでしょう!!」
「俺は抵抗しないからリナなら殺せるよ」
「そういう意味じゃない!!あたしがあんたを殺す事は出来ないって言ってるのよ!!」
「どうして?」
・・・・・・・・・・・わかってるくせに。
「リナ、どうしてだよ?」
「・・あたしはあんたが!!・・・・」
そこであたしは言葉を切った。
好きだなんて安っぽい言葉は使いたくない。
「どうしていつもそこで切るんだ?」
「だって・・・・・だって・・・」
言いたい言葉が上手く言えなくて涙が出てくる。
「ごめん、リナ。俺はいつもおまえを泣かせてばっかりだな」
あたしの涙を手で拭うと、再びガウリイはあたしを抱きしめた。
そして昔からしているように頭をぽんぽんっとする。
「俺にはおまえが1番なんだ、だから離れないで欲しい」
「・・・・・うん、ごめん」
こうしてあたしはガウリイから離れる事を考えるのをやめた。
魔族なんて倒せばいい。離れるよりは全然苦しくないから。
くらげだろうがたこだろうがこいつはあたしの至上の男。

へへへっ、実はこれ速攻で書いたわりにはお気に入り♪
どうしても「至上」と言う言葉が使いたかっただけと言うどうしようもない話なんですけどね
だって、「至上」っていい言葉だと思いません?特別って言うかなんて言うか・・・。
他にもいい言葉はあるので使っていきたいです!!