光輝 揺らぐ
バクバクバクバクバクッ!!
バクバクバクバクッ!
え〜いっ!静まれ心臓!!
指先まではっきりと感じ取れるほどの鼓動に、あたしはドアをあけられないでいた。
中に入れば真実を見せつけられる。それがあたしの見たくないものであっても・・・・・。
まだゼロスの言葉を信じたわけじゃない。
まだガウリイを完全に疑っているわけじゃない。
まだ・・・・・・・ガウリイを嫌いなわけじゃないの。
ただあたしに自信がないだけ。
シルフィールと比べたら、あたしはまだ子供にしか見えないし、あんなに女の人って感じにはなれないし、なにより家庭を守る奥さんになりきる自信もない。
あたしよりシルフィールと結婚した方がガウリイは幸せになれるのかもしれない、そう考えると恐くて動けなくなる。
「・・・どう・・・・しよう・・・」
ドアを握る手が汗でびっしょりになっていた。少し震えてるのもわかる。
勢いだけで飛び出した事を後悔し始めていた。
なんでいっつもあたしは勢いだけで飛び出しちゃうんだろう・・・・・。
だから子供だって思われるのかな?
今も勢いでドアをあければいいのに、あけられれば・・・・。
なんであけられない?どうして飛び出せない?
いつもはどうしてた?どうやって飛び出す勢いを得てた?
いつもだったら・・・・・・。
「・・・あ・・・そっか・・・あはっ、どうしよ?わかったらよけいにあけられないよ」
そう、いつもはガウリイがいたから。背中を守ってくれていたから、まかせられたから。
今は背中を誰も守ってくれてないから後ろが恐くて飛び出せないんだ。
そして後ろを振り向く事も前に向かう事も出来なくなってる。
「だめね・・・・・肝心な時にあたしって何やってるんだか」
手の力が抜けて、ドアから手が離れたその瞬間。
「リナ?」
びくっ・・・・・・
・・・ガウ・・・リイ?
「いや、リナはまだ知らない。まだ言ってなかったから」
「だめじゃないですか、リナさんも式に来てくださらないと!」
その声はシルフィール。
さっきのはあたしをよんだんじゃなくてシルフィールに返事しただけか。
よくわからないけどテーブルを移動したらしい。
お店の人が「すいませんねぇ、あちらのお客様のわがままで」とかなんとか言ってる。
そんなことより待ってよ!!まだドアをあけることさえ出来てないのに聞きたくないよ。
お願い、その先を言わないで、お願いだから。
「式はいつだっけ?」
いや・・・・・いやなの・・・・。
「もうしっかりしてください!新郎なんですよ!?」
や・・・・・待って・・・・。
もうあたしはドアなんかにかまっていられなくて、両手を耳に持っていこうと―――
「わかってるって一週間後だろ?いくらくらげでも愛してる女との結婚式ぐらい覚えてるって」
・・・・・・あたしには言ってくれた事なかった。
『あいしてる』って。
やっぱりあたしのは『好き』でシルフィールのは『愛してる』だったんだね。
もう、いいや。これ以上は耐えられないよ。
ごめんガウリイ気づいてあげられなくて。
全身の気が抜けて、その場にあたしは座りこんでしまった。
その拍子に絶っていた気配が現れてしまう。
あ〜あ、気配絶ってもぎりぎりだったのにこれじゃガウリイにばればれね・・・・。
はやいとこ動かないとガウリイが来ちゃう。
顔を見られるのはやだ。
泣いてるのを見られるのは・・・・・・・・絶対にいや。
ガチャ!
「・・・・リナ!?」
・・え・・・早過ぎ・・・・・・・・・・・やっ、どうしよ!?
|