すべすべ

ふっふっふ〜、あたしが今日来たこの町は有名な温泉街だった。
もっちっろん予約しておいた宿は温泉つき♪
くぅ〜っ、温泉、いい響き♪
「ガウリイ、はやくはやく!!温泉に入るんだから!!」
いつになくあたしははしゃいでいた。
気分は軽く、常時顔がゆるむ。
「リナ〜、そんなに急がなくても温泉は逃げないぞぉ・・・・・」
少しつかれた様子のガウリイ。
せ〜っかく高い所に泊まるんだから少しでも長く温泉に入りたいじゃない?
ガウリイの首を捕まえ、宿屋へダッシュ!!


ちゃぽ〜ん♪
「ん〜っ、いいおゆ」
宿に着くやいなや、あたしは部屋もたいして見ずに温泉に入ったのだ。
ここの温泉はパンフレット通り濁り湯。
なんかいろいろと効きそうよねっ!
「やっぱり少し季節を外してくるのがいいわね〜」
だ〜れもいない温泉を見渡し、満足げに呟く。
そう、周りには誰もいない。
貸し切りってやつ♪
「ん〜、話し相手ぐらい欲しいけど、まぁ仕方ないか」
ガラガラガラッ!!
後ろから急に人が入ってきたらしい。
煙で良く見えないが、きょろきょろとその人は辺りをうかがっていた。
「お湯はこっちですよ〜?」
「やっぱリナ一人か・・・・・・?」
少し気まずそうな声・・・・・・・・・ガウリイの。
あたしの顔は一気に茹で上がった。
「な、何でガウリイが入ってくるのよ!!」
慌ててタオルを確認。
おしっ、とりあえず見えてない。
もしかして・・・・・混浴・・・??
パンフレットには書いてなかったのに〜!!!
「・・・なぁ、そっち行ってもいいか??」
「・・・だ・・・・だ・・・だだ・・・」
「ダメ?」
いや、そんな哀しそうに言わなくても・・・・。
なんかこっちが悪いみたいじゃない。
「いや・・・・その・・・・」
「そっか♪それじゃ俺もはいろっかな♪」
どうしてそうなるっ!!
どこが「そっか」になるんじゃ、くらげ!!
そうは思ったものの、言葉にはなっていなかった。
ただ口をパクパクしてるだけ・・・・・かなしひ・・・。
だんだんぼやけてたガウリイの顔が浮びあがる。
ドクンッ・・・・・ドクンッ・・・・・・
やっ・・・・心臓の音がぁぁ!!
どんどんガウリイは近づいてくる。
ドクンッ・・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・・
顔が熱い、耳も腕もどこもかしこも熱い。
やっ、どうしよ〜!!
「ここのお湯ってすべすべになるんだろ?」
のん気に話しかけてくるガウリイ。
声もだんだん近づいてくるし、もちろん姿も近づいてくる。
それ以上はこないで〜!!!
「ガッガウリイ!やっぱり・・・・・あの・・・」
近づかないでと言おうとしたその時!!
つるんっ!
「うおっ!?」
ご〜んっ!!!
「え?なに??」
急にガウリイの姿が消えた。
タオルをしっかり巻きつけて、お湯から出てみると・・・・・・・・・。
もやもやした湯気の向こうに倒れた金髪が見えた。
「・・・・・・・・・・・・・こんな所でこけるなんて」
しかも打ち所が悪かったらしくおきあがってこない。
さぁ〜〜〜っ。
暑くなった体を涼しい風が撫でた。今まで覆っていた湯気をも運んで行く。
その時見たものは!!
「んなっ!!タオルぐらい巻いときなさいよ!!」
おそらく顔が真っ赤であろうあたしはすばやく顔をそむけてドアへダッシュ!!
つるんっ!
「うそっ!?」
ご〜んっ!!
・・・・・・・・・・・・・・し〜ん・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・。

温泉の効用
お湯につかると、どこもかしこもすべすべっ!
新陳代謝の活性化にも効果大!
注)湯の成分上床が滑りやすくなっておりますのでお気をつけ下さい。
―――――パンフレットより抜粋

うっわ・・・・・くだらないぃ〜!!!!
読んでくれてる人いるんかなぁ?