暴走ゼロス君

「僕と結婚してください、リナさん♪」
突然のゼロスの発言に、リナは思わずこけた。
舗装されている道なのでかなり痛そうだ。
リナは起きあがって体についた砂をはたくと、すぅ〜っと息を吸って一気に怒鳴り始める。
「昨日いきなり現れたかと思ったら今度は結婚ですって?!何考えてるのよ、この生ゴミ魔族は!!!」
「もちろん、リナさんの事ですよ
「な、な!!!」
リナは顔を真っ赤にしながら口をパクパクさせている。
ゼロスはそんなリナの様子を見てにっこりと笑うと、ひょいっとリナを抱き上げて走り始めた。
リナを抱いているのにかなりのスピードだ。
「ちょっと!!ゼロス、下ろしてよ」
ゼロスの腕の中で必死で暴れるが、しっかりと抱かれているのでなかなかうまくいかない。
「暴れたってだめですよ、リナさん」
「なら暴れないから下ろしてよ!」
「しょうがないですね」
ゼロスは止まると、ふぅっとため息をついてリナを下ろした。
リナを抱いてあれだけ走ったのに全く息があがっていない。
魔族だからと言われればそれまでなんだが・・・・・・・・・。
「どこまで行くつもりだったのよ、まったく」
「いやぁ、あのまま教会に行って結婚式をあげちゃおうかなぁなんて思ってたんですよ」
柄にもなくテレながら言うゼロス。
「勝手にきめるなぁ!!!!」
すぱこ〜ん!!
リナのアストラル・ヴァイン付きのスリッパが見事に決まった。
「い・・・痛いです・・・・・」
「ふん、勝手に決めるからよ!」
リナはゼロスをほっておいてスタスタと歩きだす。
「待ってくださいよぉ〜」
ゼロスは慌ててリナの駆け寄った。
「リナさん、勝手に決めませんから返事くらいしてくださいよ」
「何の返事?」
「僕と結婚してくれるかどうかです!」
リナは立ち止まって少し考えた後、少しためらいがちに言った。
「う〜ん、してもいいけど・・・・・・・」
「ほんとですかぁ!!!」
ゼロスはうれしさのあまりリナをぎゅっと抱きしめた。
思いっきり抱きしめられたリナは腕の中でもがいている。
「ぐ・・・ぐるじい・・・」
「あっ、すいません。苦しかったですか?」
ゼロスは慌てて手の力を緩める。
決して離そうとはしない。
そして、手を緩めたかわりにリナの髪を絡めて遊んでいる。
「人の話は最後まで聞きなさいよ」
「はぁ〜い♪このまま話してくれませんか?」
「ったく!まあいいわ。あのね、結婚はしてもいいけどちょっと待っててくれない?」
「え〜、そんなぁ・・・・・」
いやいやをするようにゼロスは自分の頬をリナの頭にすりすりする。
リナは怒る気も失せてしまい、されるがまま。
「だって、まずねーちゃんを説得しなきゃ滅ぼされるわよ?」
「え〜、僕あの方は苦手なんですよねぇ。よし!駆け落ちしましょう」
ゼロスは、そう言うなりまたもリナを抱き上げて走り去ってしまった。