恐ろしき日

ざわざわ・・・
辺りはこれでもかと言うほどうるさかった。皆好き放題にお喋りをしていて、周りのことなどかまっていない。
リナとアメリアも、その中の一人だった。
「終わっちゃったわね・・・・・・」
「なにがですか?」
ぼそりと呟いたリナに、アメリアが聞き返す。
「夏休みに決まってるでしょ」
そう言いながら、体育館のステージを見る。
そこには、校長先生が挨拶の時に使う机と、マイクがおいてあった。
そう、今日は夏休みの終わりを告げる、始業式の日だったのだ。
「ったく。長くて短い夏休みも終わりね・・・・・・」
リナがしみじみと言うと、アメリアが意地悪そうに聞いてきた。
「そういえばリナさん。宿題終わりました?」
「ええ。全部ゼロスにやらせたわ」
「全部って・・・・・・」
「全部よ。あいつが宿題やってる間、隣で”スレイ○ーズわん○ほ〜”で遊んでたわ」
「・・・・・・むごいです・・・」
ちなみに宿題の量はというと、宿題のあまりの重さに、生徒がトラックでつんで帰ったほどである。
そのため終業式の日と今日は、学校の前にトラックが溢れかえっていて、運動場や道路まで飛び出していい迷惑だったらしい。
「そういうアメリアは・・・って、どうせあんたのことだから、ゼルと分担してやったんでしょうけどね」
「り、リナさん」
アメリアの顔がかぁっと赤くなる。
リナは嫌そうに「ごちそうさま」と言うと、立ち上がって周りを見まわした。
「いないわね〜」
「誰がですか?」
ずささささっっ
後ろから突然聞こえてきた声に、リナが後ずさる。
・・・・・・ちなみに、その時に聞こえた「ぐえっ」という声は、聞かなかったことにしよう・・・。
「ゼロス!あんたいつのまに!!」
「リナさん。そんな、人をゴキブリみたいに言わなくても・・・・・・」
「ゴキブリ?寄生虫の間違いじゃないの?」
「リナさんに寄生してるからですか?」
う〜ん。うわてだ。
「それよりもリナさん。さっき探していたの、僕だったんでしょう?」
「ばっ、馬鹿言わないでよ!!」
「照れなくてもいいんですよ(はぁと)」
リナ本人としては本当に嫌なのだが、見ている方にとってはたまったものではない。
アメリアは、その夫婦漫才に嫌気が差したのか、どこかに行ってしまった。
その時にさっき踏まれていた人を救助しているのは、さすがと言えよう。
「あ、あたしはただ、ガウリイ来てないな〜・・・なんて思っただけよ」
実際、そうである。探していたのはゼロスだが、あの宿題の量に、脳みそが破裂しているとも限らない。
他の人達も、ちゃんと終わらせているのだろうか・・・・・・?
「リナさん・・・ひどいですよ。僕の目の前で他の男の名前を言うなんて・・・・・・」
うるうるしながら訴えてくるゼロスを見て「うっ」となる。
リナは深い溜め息を吐くと、あきらめたようにゼロスに振り向いた。
「で?なんの用なの?まさかあたしの顔見に来ただけとか言わないでしょうね」
「そうです♪」
どがっっ
リナの手のひらから、大きな火の玉が産み出され、どこともつかない場所に飛んで行った。
その火の玉が落ちた場所半径15mの中にいた人は、黒焦げの運命をたどった。
「い・・・・・いえ、宿題をしてさしあげたお礼をいただきたいな・・・・・・と」
ゼロスの額に汗が浮かんでいるのは、気のせいではないだろう。
リナは脅迫的にファイアーボールを準備しながら話す。
「お礼って・・・・・・なにすればいいのよ」
「それは・・・・・・」
「秘密とか言わないでよ」
「いえ、それは言いませんけどね」
恐ろしいほどのその笑顔で、恐ろしい予感に捕らわれる。
そして、その予感は当たった。
「結婚して下さい♪」

 
その答えにリナがそう答えたかは、定かではない。
ただ一つ言えることは、その日誰かが放ったドラグ・スレイブにてその辺一帯が破壊され、夏休みがのびたらしい。
もちろん、”病院で”がつくことは、言うまでもないだろう。

 
そして、破壊された学校の校長は、ただ一人、その破壊の現場にて、静かにこう語ったという。
「全教師に告ぐ。今度から宿題を少なくしないと、文字どおり首を失うと思え・・・・・」
翌年、宿題の量は恐ろしく少なく、生徒達は逆に不安にかられたという・・・・・・。

 
数年後、一組の夫婦が誕生したその時は、きっと誰もがそれを恨んだことだろう。
そう、プロポーズを受けたくせに、破壊を行ったことに対して。

あの日は正しく、素晴らしく恐ろしき日だったのだから・・・・・・。

おしまい♪

桜牙様に捧げる(笑)、始業式ゼロリナ。
ギャグになってしまいました(笑)お許し下さいませ。
しかしリナは、プロポーズを受けたのに、なぜドラスレをはなったんでしょう?
自分で書いたながら、不思議でたまりません(笑)
どうもありがとうございます!!と〜ってもおもしろかったですよ!!しかし、この学校はいいですね〜。宿題が減ったなんてうらやましいです・・・・・・・。