クレッシェンド・レジェンド
〜夜明けの幕が上がる〜

ここは、魔術師の『紅族』という一族が住む街、オリアンシス。
そこに、彼らは住んでいる・・・。

「ケアル!!」
本来回復魔法のはずなのに、杖からは強い閃光が走った。前の壁が大音響で崩れ落ちた。
「あれ?おかしいな・・・やり方は間違ってないのに・・・ここはそうで・・・」
「・・・おい、練習ならいい場所があるぜ?バレンタ」
シュンという音と共にある1人の魔法使いが現れた。
彼の名はディスタ・エスクレア。まだ正式な魔法使いではないけれど、その腕は確かなものだ。
「でもディスタ?正式な魔法使いにならないと、移動術は使っちゃいけないんじゃないの?」
「絶対失敗しないから大丈夫だよ!ほら、トレスも呼んできて!」
移動術使うんなら自分で行きなさいよ!と内心思いながらも、トレスを呼びに行った。
トレスは紅族の長、トライアルさんの娘で同い年の親友だ。
(そういえばディスタも同い年だっけ?)


「トレス!!」
やたらと落ち着いた雰囲気の建物、ここが族長の家だ。カチャリと鍵を開ける音が聞こえた。
出たのはトライアルさんだった。
「ああ、バレンタか?トレス!バレンタが来たよ!」
シュンと音がすると族長はもうそこにはいない。1人でトレスを待つ。
パタパタと足音が近づいてきた。トレスだ。
「おっはよートレス!練習行こっ!」
「うん・・・ちょっと待ってて・・・あった!これ!」
それは、金色に輝く月をそのまんま小さくしたような綺麗なクリスタルだった。
「すっごい・・・金色クリスタル?見た事ないよ・・・」
「これ、お父様が誰かから譲り受けたものらしいの。とても綺麗なんだけど・・・でも・・・」
そこで彼女は言葉を止めた。
「でも?」
「これには・・・なにか邪悪な気配がして・・・」
そう言われて見てクリスタルを覗き込んだ。
トレスが言うように感じられないのは、私だけだろうか?
「・・・持ってくの?」
「とりあえず・・・うん。なんか魔法を成功させる確立を上げてくれるんだって」
そのクリスタルに何かしらの気まずさを感じながらディスタのところへ急いだ。


「おっそーい!!ほら早くこっち来て!!」
ディスタは移動術の準備万端で待っている・・・呆れるよ・・・。
「どこなのそれって?」
呆れつつも、それに乗り込む私。(笑)
「オリアンシスの外れの荒野。誰一人いないから丁度いいんだ」
シュンと音がしたかと思うと、場面が変わった。
「・・・本当に荒れてる・・・オリアンシスにこんな所があったなんて・・・」
どこまで行っても枯れた草木しかない・・・でもここは・・・確か・・・。
「いいからいいから。じゃあトレス、ケアルあれにかけてみ?」
それは、枯れかけた一輪の小さい花だった。風に吹かれる度、痛々しく揺れ動いた。
トレスは横で精神を杖に集中させている。杖にはあのクリスタルがはめ込まれていた。
「・・・ケアル」
杖が微かな光を宿した。そして、杖先を花に向けた――――。
「『ストップ』!!」
杖先の光が氷のように固まった。
「・・・なんでまずいの?普通のケアルじゃん」
思わず口をはさんだ。ディスタは杖に目を落としている。そして、あのクリスタルを見つけた。
「トレス!?そのクリスタルは!!」
「どうかしたの・・・
声は途中で轟音に掻き消された。
「なにあれ!?」
白い閃光が走った。誰かが向こうにいるらしい。
「2人とも!走って!!・・・サンダガ!!」
鋭い稲妻が光の元に飛んでいった。相手は少しひるんだのか、魔法は返ってこない。
「移動術!レジェンド・オリアンシス!!」


シュンという音が聞こえたと思うと、また場面が変わった。街だ・・・。
「な・・・に・・・!?これ・・・って・・・!!街が・・・!!」
そこは、瓦礫の山と化していた・・・幸い住人全員魔術師だ、身の安否の心配はない。
それでもこれはショックだった。なぜなら、この街にはしっかりしたシェル、プロテスといった
防御魔法がかけてあった。
それを糸も簡単に壊すなんて・・・一体何者なんだろうか・・・。
「見つけた・・・」
地を這う様な声に他の2人も振り返った。
それは、ローブのフードをすっぽりかぶった・・・人らしき者――――――。
さっきの荒野の時の人と同じ人だろうと、直感的に思った。
「フフフフフ・・・」
                    〜続く〜

ありがとうございました!久しぶりの頂きモノに思わず小躍りするあたし♪
この話はスレイヤーズではないんですけど別に制限してないんで載せましたぁ。
送ってくださったのは麻里奈様です!
どうもありがとぉ〜!!続きをよろしくお願いします♪待ってますから♪