姫と騎士
『どうしてこんなに、そばにいてくれるんだろう?』
ふと、目を手元の魔道書からはなして考える。
そのページには挿話として、ある王国の姫をまもる騎士の物語が、簡単に要約して載せてあった。
誰よりも姫を信じ、姫をまもるころが自らの正義だと信じた騎士。
姫をまもるため、悪いドラゴンと戦い、その騎士は死んでしまう。
純愛である、と。
そしてその話から、ドラゴンの使う魔道技術の仮説へとはなしは移っている。
騎士、か。
この話は、小さい頃読んだことがある。
そんな騎士いるわけない、って小馬鹿にし、姉ちゃんに“夢がない”だの言われた記憶とともに。
いまこの話を読んだときには、すんなりと騎士をイメージできた。
あおい目のサラサラ金髪に、細身の長剣を優雅につかいこなす長身の騎士を。
かおはもも勿論、相棒・ガウリイ君である。
かなり美化が(とくに中身に)はいっているが。
と、なると“姫”はあたしか?
想像し、思わず笑みがこぼれる。
そぉねえ。
わるくは、ない、かな。
なんでも言うことを聞く便利なアイテム・ガウリイ(騎士)と共に、
悪いドラゴン・・・・まあ、いろいろ、を蹴散らしてゆく旅。
そのままじゃない!?
面白い考えに満足し、目線を本にもどす。
でも・・・・
この話の最後はこうなのだ。
姫をつけねらう悪いドラゴンに、戦いを挑む騎士。
魔力の高い、人の身では到底かなわぬドラゴンに重傷を負わせ、そして自らも瀕死へおちいる。
だが姫が無事なのを喜び、姫の幸せを願いながら、ほほえみ、死んでゆくのだ。
今まで何度だって考えたことはある。
ガウリイと別れよう、と。
ガウリイにとってあたしとの旅は、危険すぎるのではないか?
戦いの中ガウリイ自身、大怪我をしたことはなんどもある。
そして、その度におもう。
あたしはガウリイを利用しているのではないかと。
あたし1人では、生きていなかっただろう。
ガウリイととだから、ガウリイが連れじゃなかったらと考えたその時。
その可能性に気がついたのだ。
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