姫と騎士
〜ばーじょん2〜

 

ふと、目を手元の魔道書からはなして考える。
そのページには挿話として、ある王国の姫をまもる騎士の物語が、簡単に 要約して載せてあった。
誰よりも姫を信じ、姫をまもることが自らの正義だと信じた騎士と。
誰よりも騎士を信じ、常に騎士の傍に身をおいた姫の。
様々なひとと出会い別れながら、国内を漫遊する物語。
結局、姫をまもるため、悪いドラゴンと戦い、その騎士は死んでしまう。
純愛である、と。
そしてその話から、ドラゴンの使う魔道技術の仮説へとはなしは移っている。

騎士、か。
厚い魔道書をもって机からはなれ、ベッドに寝転がり、あらためてそのページをひらく。
この話は、小さい頃読んだことがある。
そんな騎士いるわけない、って小馬鹿にし、姉ちゃんに“夢がない”だの言わ れた記憶とともに。
いまこの話を読んだときには、すんなりと“騎士”をイメージできた。
あおい目のサラサラ金髪に、細身の長剣を優雅につかいこなす長身の騎士を。
かおは勿論、相棒・ガウリイ君である。
かなり美化が(中身に)はいっているが。
で、と、なると“姫”はあたしか?
栗色の髪の姫を想像し、思わず笑みがこぼれる。
そぉねえ。
わるくは、ない、かな。
なんでも言うことを聞く便利なアイテム・ガウリイ(騎士)と共に、 悪い・・・・まあ、いろいろな三流悪役を蹴散らしてゆくあたし・リナ=インバース(姫)。
そのままじゃない!?
面白い考えに満足し、目線を本にもどす。
でも・・・・
この話の最後はこうなのだ。
姫をつけねらう悪いドラゴンに、戦いを挑む騎士。
魔力の高い、人の身では到底かなわぬドラゴンに重傷を負わせ、そして自らも瀕死へおちいる。
だが姫が無事なのを喜び、姫の幸せを願いながら、ほほえみ、死んでゆくのだ。


「嫌な話・・・・」
あたしはどーも、この終わりかたが好きじゃなかった。
そんなの、自己満足じゃない。
だから、所詮オハナシなのだ。
実際のストーリーだと、こうだろう。
「『わるいドラゴンは、姫と騎士との最強ダッグには、かないませんでした。』と、」
「なにぶつぶつ言ってるんだ?」
となりで、寝ていた筈の金髪の騎士が、言った。
「あれ?ガウリイ、起きてたんだ」
「リナが相手してくれるまで、体力温存してた」
「な゛っ」
ガウリイが、栗色の髪を一房とり、口唇にもっていくのをみて、思わずヘンな声が出る。
ばさっ
「ちょ・・・・ガウリイ、魔道書が・・・」
「魔道書(ホン)なんてどうでもいい」
ムリヤリ引き寄せられて、魔道書がベッドから落ちる。
「・・・で、さっきは何言ってたんだ?」
「騎士と、姫の物語よ」
どアップの、ガウリイ。
心臓がバフバフゆう。
純愛だが、悲恋の結末。
そんな恋は、あたしたちには似合わない。
「『姫と騎士が、ずうっとふたりで旅をして、どんどんどんどんレベルアップしていく』そーゆう物語。
わかった?」
さらさらの金髪に手を伸ばし、いつもあたしがされているように、ぐちゃぐちゃに撫で回す。
「それって、おれたちの事か?」
あら、まあ。
「わかってんじゃない、ガウリイ。偉いエライ」
「そう。 じゃ、ごほうびは?」
「ん・・・・明り、けして・・・・」


おわし

こちらが本物の様です(^^;私は前の話もかわいくて良いと思いますけどねぇ・・・・・・・・。でもこっちも好き♪