ルナ姉ちゃん 飴玉大追跡
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キーンッ!
「ちょっと!これはあたしのお肉ちゃんよ!!」
「リナこそこれは俺のだ!!」
カチャーン!!キーンッ!!
二人の近くにはもうすでに誰もいなくなっているというにもかかわらず、リナとガウリイはまだ食事バトルを繰り広げている。
もちろん、ルナはもうこの店の目の前にまで来ているのだが・・・・・・・リナは気づくはずもない。
「だぁぁぁああ!!あたしのエスニック風チキンのなんたらソース炒めちゃんがぁ・・・・・・・・・・それならば!!」
「・・・んっ!?ふぐっ!ほえのへひふあいがぁぁぁぁぁあ!!」
口にものを入れながら喋っているため、ガウリイの言葉は意味不明。
が、それを理解できるのか、リナはそれに受け答えを続けている・・・・・・・・・。
「はんたがわふいほよ!!」
そこに冷めた声が割りこんだ。
「ちょっとお隣よろしいかしら?」
リナはその人物の顔を見もしないで・・・・・・・・・。
「・・・もぐもぐ・・・ごくんっ・・・・今忙しいんだから他のとこに行けばいいでしょ!!あぁ!!あたしの楽しみだったソテーちゃんまで!!」
「へへ〜んだ!!リナが最初に俺から取ったからだろ♪」
「・・・・ちょっとお尋ねしますけど、あなたはどちら様でしょう?」
「もうっ!うるさいわね、あたしはリナ=インバースよ」
やはり顔を確認せずに答えてしまうリナ。
一方ガウリイは愛想よくにぱっと笑って答えた。
「俺はガウリイ=ガブリエフだ、依頼かなんかだったらあとにしてくれないか?」
「ガウリイ=ガブリエフ・・・・・・あなたが例の保護者さんね」
「ん?もしかしてリナの知り合いか?」
「えぇ、ま、知り合いと言えば知り合いかしら」
「ん?あたしの知り合い?」
ゆっくりと振り向いたその先には・・・・・・・・・・・
「久しぶり、わたしのかわいいかわいいリ・ナ・ちゃ・ん」
「お・・・・・・お・・・・おおおお・・・・・お・・・・姉・・・・・さ・・・ま・・・・」
「あら?様なんてつけちゃってどうかしたの?おかしい子ね」
ただならぬ雰囲気にガウリイは口をつぐんだ。
あたまでどうこうと言うより、本能が喋ってはいけないと警告を鳴らしている。
本来ならばリナの姉に挨拶をする所だが、黙って見守った。
「と、ととととととりあえず座るというのはいかがでしょうか?お疲れでしょう、ね?ね?バ、バイトのほうはいかほどに?」
自分の姉相手に敬語を使い、しかも文法があっていないのにも気づかない。
ルナはに〜っこりと微笑むと、リナの隣にガウリイと向かい合わせるかたちで座った。
「まぁ、ずいぶん散らかして食べるのねリナは。これってウエイトレスには一番腹が立つのに、ねぇ?」
そう言って微笑みながらリナに顔を近づける。
震える手に持っているナイフとフォークをガシャーンガシャーンと落とすリナ。
「あら・・・・・・・これじゃぁまたお店の人が新しいの持ってこないといけなくなっちゃったわ」
距離を変えず、そして顔も変えずに話しつづけるルナにガウリイは恐怖を覚えた。
今までに感じたことのない恐怖。
逆らったら・・・ふふっ、話し掛けたら・・・ふふふっ、そんな言葉が無言のうちに伝わってくる。
「リナ、落としたものは拾わなきゃ、ね?」
ふふっとなぞの笑みを残したままで、右手を優雅に動かしフォークとナイフを拾った。
そして器用に二つを持ちながら右手だけで二つの向きを変え、ふっと真顔に戻ったその瞬間――――!!
ダンダンッ!!
気づいたときには反対側に壁に刺さっていた。
ちょっぴりひびが入っているようなないような・・・・・・・いや気のせいだろう、きっとそうだ、だってフォークとナイフだけでぱっくりと壁が割れるなんてそんな・・・・。
ちょ〜っぴり壁の向こうの見えないはずの景色が見えるのはこの際見なかったことにしよう。
ちらっと壁を見たルナだが、まるでぼろい壁ねといわんばかりに目を細めた。
そしてそのまま凝視する。
「・・・・・・・・・・あいかわら・・・ず・・・・鋭い方ですね・・・・・・・」
にょきっと小さな手が出てきたかと思うと、その壁の割れ目からちびゼロスがいや正確には目にフォークが刺さり、首にナイフが刺さったちびゼロスがてけてけと登場した。
急な登場にリナは目を見開くが、ルナとそしてガウリイはまったく変えない。
「あら、やっぱり貴方も気づいてらしたのね?注意がリナと私と壁にいってたからそうだとは思ったけど・・・・・・仲間には合格ね」
『仲間』と言う言葉に苦笑するガウリイ。
どうやらこの姉にはすべてばれているらしい、それを悟ってさらに気を引き締める。
それをルナもまた察したのか、意味ありげな、挑発するような視線をぶつけた。
(これは・・・・・・・・視線をはずしたらまずいよな、やっぱ)
かと言ってこれといった解決法もなく、見つめ返すガウリイ。
リナはさっきからずっと顔面蒼白冷や汗だらだら状態。
いや〜な空気が漂った・・・・・・・。
「あの〜、僕には気持ちのよい空気ですけど、話を進めてくれません?貴方の用は違うことでしょう、ルナさん」
いつのまに二本とも抜いたのか、この空気を拡散させたのはゼロスだった。
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