宣戦布告

<6>

「・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・負けちゃった・・・・」
「僕の勝ちですね。一つだけいう事をきいてもらいますよ」
リナは息切れしているというのに、ゼロスは全く息が切れていない。
余裕に笑ってさえいる。
「・・・はぁ・・・・はぁ・・・・わかってるわよ!!」
ゼロスを思いっきりにらみつける。
ゼロスは気にせず笑うだけ。
『こらこら、そこ!これから一斉に願い事を聞くんですから勝手に進めないで、こっちに来て並んで下さい!!』
二人の間に注意のアナウンスが入った。
「じゃあ、並びましょうか」
「・・・・・はぁ・・はぁ・・・・先行ってていいよ。息きれちゃって・・・・」
「・・ふ〜む、しかたないですね。リナさん、ちょっと大人しくしていてくださいね
ゼロスはリナのひざと背中の下に手を置いてそのままひょいと持ち上げた。
・・・・・・・・・・いわゆるお姫様抱っこ。
一瞬呆気に取られたリナだったが、正気に戻り暴れ出す。
「ちょっと!!はなしてよ!!ゼロス!!」
「暴れないで下さいって言ったでしょう?そこまで行ったら下ろしますよ」
ゼロスは言った通り並ぶ所まで行くとすぐにリナを下ろした。
顔が少し赤くなっているリナはすぐに離れる。
そこに待ち構えていたアナウンスが入った
『さぁ、白チームの皆さん!!一人ずつ願いを言って下さい。まずは第一走者の方から』
ルークが1歩踏み出してミリーナの前にたった。
会場はシ〜ンと静かになる。
「え〜と・・・・その・・・・ミリーナ!!」
「なに?」
「俺の事どう思ってるか教えてくれ!!もちろん俺はミリーナが好きだ〜!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・なぜか皆があとずさった。
視線がミリーナに集中する。
「・・・・嫌いじゃないわ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・一同沈黙。
が、ルークはこれで満足な様子。
「そっか、嫌われてなかったんだ!!よかったぁ、好きだ〜ミリーナ!!!」
・・・・この2人はほおっておこう。
『・・・・・次に行きましょう』
フィルさんがゼルの前に立った。
「約束は絶対守ってほしいのだが、いいかな?」
「・・・・・それでアメリアが幸せになれるのなら」
フィルさんはふっと優しく笑った。
「じゃあ、お主がアメリアを絶対に幸せにすると誓ってくれ」
「・・・・・・・・許してくれるのか!?」
「さぁ、今誓ってくれ」
「わかった。俺が絶対にアメリアを幸せにする!!」
辺りからは歓声と拍手が一気に沸き起こった。
『おお!意外な展開を見せてくれましたね〜!さぁ、最後は注目の二人です!!』
ゼロスがリナの前に立つ。
リナは無表情でゼロスの言葉を待つ。
「リナさん」
「なに?早く言ってよ」
「僕と付き合ってください!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・またまた一同沈黙。
『あのう・・・・・この競技は合コンじゃないんですけど・・・・・・』
遠慮がちなアナウンスが入った。
「ほっといて下さい。勝ったのは僕たちなんですから!!・・・で、リナさんダメですか?」
「・・・卑怯よこんなの。因縁走のお願いは絶対にきかなきゃいけないんでしょう?」
「それはそうですが、無理にとは言いません。リナさんの意志に任せます」
ゼロスが真正面からリナをみつめる。
リナは絶えきれずに視線をはずした。
「リナさん、僕の事嫌いですか?」
「嫌いではないわ」
「僕より好きな人はいますか?」
「・・・・え〜っと・・・・・・・姉ちゃんかな」
「女性は抜いてください」
「・・・・・・え〜っと・・・・いない、かも」
「じゃあ、僕のこと好きですか?」
前は嫌っていたのだが、話してみると結構おもしろいので嫌いではなかった。
だが、そういう風に意識した事もない。
リナは今までにないほど悩んだ。
「・・・・わかんない」
「そうですか。じゃあ、今日はここまでにしておきましょう。でも僕の気持ちは覚えておいてください」
「・・・え?」
「僕はリナさんが好きです。これだけは覚えておいてくださいね。まぁ、今は彼氏候補ってとこですね」
「な!?」
顔を赤くして口をパクパクさせているリナ。
こう言う事が苦手らしい。
一方ゼロスは最後まで余裕の笑みだった。

この2人がくっつくのはもう少し後の事。
どうやらゼロスが待ちきれずにいいくるめたらしい。
しかし、リナも徐々に自分の気持ちに気づき幸せな様子♪