世界創世記

ふと目が覚めるとそこは砂浜だった。
太陽が出ていないので暗いが、目が良いのでさほど困らない。
海はざっぱ〜んと絶えず波打っている。
「え〜っと、なにしてたんだっけ?」
辺りをきょろきょろと見渡すが、永遠に砂浜が続いているだけ。
「とりあえず誰か探そう」
金髪の男は立ちあがった。
立ちあがる時に金色の長い髪がさらっとゆれる。
服についた砂を払おうとすると、手に何かついているのに気づいた。
男は自分の両手をじ〜っと見つめる。
「・・・・・血か?」
暗いので色がはっきり見えないが、どうやら血がついているらしい。
気持ち悪いので男は海水で洗い流した。
「夜の海はなんかさみしいな。森にでも行くか」
そう言うと砂浜を歩き、森に向かった。

森に入って数時間が経過しようとしていた。
男はその間歩きっぱなしである。
森は暗くて薄気味悪い所だった。
人はおろか動物や虫すらいない。
「なんか疲れたな」
男はその辺にあるきり株に座った。
しばらくぼ〜っとしていると、急に一人の少女が目の前に現れた。
ところどころはねている栗毛の長い髪。
強い光を帯びた赤い瞳。
小柄な体から信じられないくらい力があふれている少女。
「何してるのよ、こんな暗いとこで。さあ行くわよ!」
少女に手を引っ張られゆっくりと立ちあがると、不意に辺りが明るくなった。
明るくなっただけではなく、森中に活気があふれている。
「・・・・・え?一体どうなってるんだ」
「どうでもいいじゃない、そんな事。さあ、早く行くわよ!!」
「そうだな、行くか!」
男は少女と歩き出した。

そこでガウリイは目が覚めた。今度はちゃんと現実世界だ。
「・・・・ん・・・・夢か」
現実かどうか確めたくて、ガウリイは腕の中のリナをぎゅっと抱きしめる。
「・・・・・う〜ん。ガウリイ、痛いよぉ」
力強く抱きしめられて、リナは目が覚めてしまった。
ガウリイの腕から抜け出そうと身じろぎする。
「あ、ごめん。起こしちまったか」
慌てて力を抜くガウリイ。
「・・・おやすみぃ〜」
開放されたリナはまた寝入ってしまった。
リナの寝顔を見て、ガウリイは幸せに浸る。
夢でもリナに救われたな。
もしリナに会えなかったら俺はずっと暗い所にいたんだろうなぁ。
感謝するぞ、リナ。
「俺も寝るか」
今度はそ〜っと抱きしめて、ガウリイは眠り始めた。
もうあんな夢は見ないだろう。
夢の世界でもリナに会えたのだから・・・・・・。