ゼラス様流 飴とムチ?
<後編>
ここは、とある町中。
大きくも小さくもない普通の町。
ちびゼロスはリナの魔力を追ってこの町に着いた。
「リナさんはこ〜んな平和そうな町で何してるんでしょう」
眠たそうな顔をしてつまらなそうに呟く。
魔族のゼロスにとって平和なんて退屈なだけ。
リナに会いに来たのは、一緒にいると退屈しないからと言う理由。
「なのにリナさんが見つからないなんて・・・・・・・あ〜ぁ」
ん〜っと力いっぱい腕を伸ばしあくびをする。
いつもの神官の服ではなく町の子供の服なのでしぐさも子供っぽく見える。
「はぁ、別の人間に食べさせましょうかねぇ」
そう言ってちびゼロスは袋を見つめた。
数を数えてみると星型が2つハート型は3つ入っている。
「僕が食べたのは星型でしたから、ハート型をためしましょう」
ちびゼロスは近くに見える公園に向かって走り出した。
公園に着くとさっそく実験台を探す。
「ん〜?誰にしましょうかね〜」
ぐるっと見渡すと、砂場で一人で遊んでいる男の子が見えた。
ちびゼロスは、その子に決めると砂場まで一気に空間を渡った。
たかが10メートルしかなかったのだが・・・・・・・。
「もしも〜し、飴ほしくありませんか?」
ビクッ・・・・・・・・・・・・・
いきなり後ろから声をかけられた男の子は恐る恐る振り返る。
しかし、いたのはお化けではなくにっこり笑ったちびゼロスだった。
「な〜んだ、お化けかと思った」
「違いますよ。それより飴ほしくないですか?」
その言葉に男の子は、ぱあっと顔を輝かせて答える。
「うん、ほしい!」
ちびゼロスは更にに〜っこり笑いハート型の飴を渡した。
「さ、どうぞ」
男の子は飴の色を見ると、口に運ぼうとしていた手をとめた。
「どうしたんですか?おいしそうでしょう?」
心にもないことをさらりと言う。
いくら子供でもこのあやしい飴は食べたくないだろう。
なんといっても黒と紫のマーブル模様・・・・・・・・・。
「ほんとにおいしいの?」
いやそうな顔で男の子はたずねた。
「はい、もちろん!」
「じゃあ、たべる・・・・・・・パクッ」
とうとう男の子は飴を口の中にいれてしまった。
口に入れた途端体中から煙が出てきた。
ぷしゅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「うわっ!けむりがぁ〜」
男の子は煙に呑まれて見えない。
「さ〜て、どうなるんでしょう」
徐々に煙がなくなっていくとそこには・・・・・。
「うわ〜!?なんで?なんで?」
さっきまで少年だったはずの男の子は立派な青年になっていた。
見た目は25,6歳といったところだろう。
・・・・・・・結構、作者好み(はあと)
「これじゃあ、おうちに帰れないよぉ〜」
しかし、ちびゼロスはすでにいなかった。
「う〜ん、ハート型は成長するようですね」
ちびゼロスは公園を離れ、町中を歩いていた。
もちろん、実験台を探すために。
少し歩くと、仲良く散歩をしているおじいさんとお婆さんに出会った。
これはチャンスとばかりに二人に飴を勧める。
「飴をあげます、食べてください」
「おやまあ、ありがとうぼうや」
「ありがとな、ぼうや」
二人はもらうとすぐ口に入れた。
その途端、煙が二人を覆う。
ぷしゅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
煙から出てきた姿は・・・・・・・・。
「わあ!?どうなっとるんだ。わしが若がえっとる?」
「まあ!?私は一体・・・・・・・・・・・」
おじいさんは25,6歳の青年に、お婆さんは5,6歳の少女になっていた。
しかし、またもやちびゼロスの姿は消えていた。
「確かおじいさんはハート型で、お婆さんは星型でしたよね」
パニックに陥った二人を見捨てて真っ直ぐ歩きながら考え込む。
最初に星型を食べたゼロスは5,6歳の少年になった。
次にハート型を食べた男の子は25,6歳の青年になった。
最後に、ハート型を食べたおじいさんは25,6歳の青年になり
星型を食べたお婆さんは5,6歳の少女になった。
「整理して考えると・・・・・・・・・」
またもや考え込むちびゼロス。
ちびゼロス、整理して考え込むまでもないだろう!
「え〜っと・・・・・・・・・・」
ほれ、がんばれちびゼロス!
「そうか!星型は5,6歳に、ハート型は25,6歳になるんですね!!」
そのと〜り!
「ん〜、一個ずつあまってますね」
袋の中の2つの飴を見て呟く。
「どちらをリナさんに使いましょうか・・・・・・・」
ちびゼロスはまだリナに使うのをあきらめていなかったようだ。
頭の中に5,6歳のリナと25,6歳のリナの姿を思い浮かべる。
「う〜ん、どっちもいいですね。両方使っちゃいましょう!でも今日は遅いですし今度にしましょうか」
辺りを見ると、とっくに日は傾いていた。
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