最後の一言
<1>
ヴォン!!
隣のガウリイの部屋に変な音がした。
ゼルは閉じていた目を開き、ベットから飛び起きて様子をうかがう。
(・・・・人の気配はしないな・・・・・・・・魔族の気配もないが・・・・・・なんだったんだ?)
一応念のため剣を持ってガウリイの部屋に入ることにした。
ガチャ───
静かにドアをあけ、中に入るゼル。
「っな!?・・・・・・・ガウリイ!!」
部屋の中心にはガウリイが閉じ込められているクリスタルがおいてあった。
おそらくこれが落ちた音だったのだろう。
ゼルは急いでクリスタルに近づき、クリスタルに触れた。
その瞬間!!
ピキ・・・・パキッ!・・ピキピキピキ!!!
触れた部分からあっという間にクリスタルが覆ってきた。
「なんだ!?くっ、とれない・・・・・・くそ!!」
その間にもクリスタルはゼルを襲う。
触れた右腕から右足にいき、左足、下半身、上半身とクリスタルに包まれていく。
「・・・・アメリア!!リナ!!・・・・・・頼むからクリスタルに触らないでくれよ・・・・・」
ここにはいない仲間の名前を叫び願いを言うと、ゼルは完全にクリスタルと化した。
アメリアは部屋で本を読んでいた。
本に集中しながらも周りが見えなくなる事はない。
耳に聞きなれた声が聞こえた。
「え?ゼルガディスさん?」
妙な胸騒ぎを感じたアメリアは、読みかけの本を閉じてゼルの部屋へ向かった。
ゼルの部屋は1つ上のはず、アメリアは何事もないことを祈って急いで階段を上る。
なぜか心臓が大きく脈打っている。
「ゼルガディスさん!!ゼルガディスさん、ドア開けますよ?」
アメリアがドアに手をかけると、鍵がしまっているらしく開かなかった。
「いないんでしょうか・・・。そうだ!ガウリイさんの部屋かもしれない・・・あれ?ガウリイさんの部屋開いてますね」
さっきゼルが開けたままクリスタルに触れたのでガウリイの部屋はドアが開けっぱなしとなっていた。
何も知らないアメリアはガウリイの部屋に入ってしまう。
「開けっぱなしはダメですよ〜・・・・・・・ゼルガディスさん!?ガウリイさん!?」
入った途端に目の前の情景におどろき足が止まった。
目の前にかまえる大きなクリスタル。
その中にはガウリイとゼルが閉じ込められていた。
「なんで?・・・・・どうしよう・・・・・・・・」
アメリアはゆっくりとクリスタルに近づき・・・・・・・・・ゼルの顔の近くに触れた。
その瞬間!!
・・パキ・・・ピキッ!・・・・ピキピキピキピキピキ!!
ゼルと同様クリスタルがアメリアを襲う。
「え?え?なに?リナさ〜ん!!」
あっという間に下半身がクリスタルに覆われ、上半身も時間の問題。
アメリアは近くのテーブルにおいてあった何かの紙に手を伸ばした。
そして一緒にあったペンも持ってきて一言書くと、すべてがクリスタルに覆われてしまった。
クリスタルに覆われなかった紙がひらりと床に落ちる。
紙にはたったの一言だけ。
『さわらないで』
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