アメリア流避暑法
<前編>
さんさんと降り注ぐ太陽。
そして夏をエンジョイしているカップルの方々。
これらを避けるために私達仲良し4人ぐみは宿屋から一歩も外へ出ていない。
そう、避けるためのはずだったんですけど・・・・・・・・・・・。
後ろをチラッと振り向くアメリア。
そこには暑さなんてもろともせずにくっつく二人が。
「リ〜ナ♪」
ぎゅぅ〜
「ちょっと!はなしてってば!!」
「やぁ〜だ♪」
なんと椅子に座ったガウリイさんが無理やりリナさんをひざに乗せて抱きしめてるんです。
しかも朝からずっと・・・・・・・・・・・。
別にお二人が仲良くしているのはいいことです!!
ただ・・・・・・・・・・この暑い中やられるとちょっと・・・・・・・・。
アメリアは本日数百回目のため息をついた。
それを見かねたゼルはここで一つ提案をもちかける。
「アメリア、部屋に戻ってぼーっとしてたほうがましじゃないか?」
一見よく聞こえる提案。
が、これにはとんでもない欠点があった。
4人が泊まっている部屋はどれも日当たり抜群のものすご〜く眺めのいい部屋。
窓はあるが風は通りそうにない。
部屋に戻るなんて事は自殺行為である。
それをわかってはいるものの、アメリアは二つを天秤へかけた。
視覚的な暑さをとるか、感覚的な暑さをとるか・・・・・・。
「ゼルガディスさん、どっちがいいと思います・・・??」
げっそりと聞くアメリアにゼルもげっそりと答える。
「どっちもどっちだな・・・・・・・」
「えぇ、そうですよね・・・・・・・」
あらぬ方向を見てふっと笑う二人。
その横には相変わらずリナを抱きしめるガウリイ君。
「ちょぉ〜っと!!ゼル!アメリア!助けてくれたっていいでしょぉが!!」
朝からひざの上で暴れていたリナが初めて声をかけた。
声をかけたというより叫んだというほうが正しいが・・・・・・・・・・。
しかしその状態で助けを求められても困るのはゼルとアメリア。
口元をゆがませてハモる。
『馬に蹴られるのはごめんです
馬に蹴られるのはごめんだな』
二人のもっともな意見に頷くガウリイ。
「そこで頷くなぁぁぁ!!!」
すぱこ〜ん!!
「なんか今の攻撃にも愛が感じられますよね・・・・・・」
「そうだな、いつもの半分ぐらいの音だった・・・・・・」
「そうか!あんまり痛くないと思ったらそういうことだったのか、りなぁ〜!!!」
さらにぎゅ〜っ
「・・・くるしぃ・・・・・・・」
・・・・・・・・・・一同沈黙
続く事10分だろうか、アメリアの目の焦点が戻った。
「はっ!思わずいけないところへ行ってしまいました・・・・・・ゼルガディスさん!!」
肩を揺さぶられ、なんとか戻ってくるゼル。
二人がどこへ行っていたかなんて誰も知らない。
・・・・・・・二人もわかってはいないだろう。
二度とあそこへ行かないためにも何か解決法を、とアメリアはとろけそうな暑さの中必死に頭を動かした。
部屋に戻るのは無理。
目の前の光景を無視するのも無理。
耳をふさいでも見えるので無理。
他に何かいい方法は・・・・・。
そのとき!
ぴたっとアメリアの全ての動きが止まり、そしていきなりぐるんとゼルの方を向く。
驚いたゼルは一歩下がるが、すばやく詰め寄ったアメリアにがしっとつかまれた。
下を向いたアメリアの口がかすかに見える。
にたっと、その唇はつりあがっていた。
ゼルの背中にさぁ〜っと寒いものが走る。
「ア、アメリア?」
「ふふ・・・・・・くくくっ、い〜い方法がありましたよ」
そう言ってゆっくりと顔を上げたアメリアの目は完全にイってしまっていた。
やばい、とゼルの中の何かが懸命に警告を発す。
しかししっかりとつかまれてる以上逃げる事は無理。
さて、どうなるゼルガディス!!
|