お兄ちゃん
ごめんな
彼はそう言って優しく頭をなでた
ごめんなってなんどもなんどもいいながら・・・
そろそろコートを出さなきゃいけない季節かもしれない。
最近は風が冷たくて、おもわずあったかいジュースを自販機で買ってしまう。
コーンスープはまだ出てないけど・・・。
あたしは両手を上着のポケットに入れて家へと急いだ。
今日はなんといってもあたしの誕生日。
ようやく16歳。
幼馴染のガウリイが珍しく祝ってやるとか言って一人ぐらしの家で準備をしているらしい。
「一体なにがでてくるんだか」
くすっと笑うと少しだけあたたかくなった。
まぁ、気分だけね。
気持ちがおどるのは仕方がない。
だって覚悟を決めてきたんだから。
大丈夫、きっと大丈夫。
ガウリイには決まった彼女はいない。
そりゃああたしより全然年上だけどさ。
なんとなく・・・・あの目は大丈夫な気がする。
買ったばかりのブーツを鳴らせて、ガウリイの家へ。
ドキドキドキ・・・・
着いたのはいいけどいきなり緊張がおそってくる。
今日はきっと記念日だ。
キス・・・・するのかなぁ。
そう思って慌てて鏡を取り出した。
念入りにリップを塗る。
荒れてたら恥ずかしいしね、やっぱさ。
もう一度鏡で確認して、ゆっくりと息を吐いた。
人差し指でとうとうインターホンを
ぴんぽ〜ん
「お〜、あいてるぞ」
中から聞こえてくる間抜けな声に少しだけ緊張がほぐれた。
おし!がんばれあたし!
ノブに手をかけてゆっくりとまわすと。
ガチャ
「うわぁ!?」
中からガウリイも開けてきて、ガウリイのおなかに思いっきりダイブ。
もちろんおやじ腹じゃないこともこのときにチェック!!
・・・・・・だっていやじゃない?ビールっぱらは。
「おいおい、おこちゃまだなぁまったく」
あたしの体制を元に戻すとスリッパを出して部屋へと戻ってしまった。
「早くそれ脱いでこっちこいよ」
「あ、うん」
そのセリフに少し照れながらも首をふってブーツを脱ぐ。
一体何を想像してるんだか、あたしは。
あたし専用のスリッパをはいていざ部屋へ。
ぱぁ〜ん!!!
ぱぁんぱぁ〜ん!!
「わわわわっ。クラッカーなんて片付け大変でしょうが!!」
本当は嬉しいくせについつい憎まれ口が出てしまう。
それを知ってか黙ってにっこりなガウリイ。
ふとテーブルを見るとそこには豪華な食事が並んでいた。
あたしの大好きなケンタッキーに、杏仁フルーツ、いい香りのするアールグレイとおっきなくリームチーズケーキ。
さらにはシャンパンまで。
「うわぁ・・・・・・」
「リナの好きなもんばっかだろ?」
いたずらの成功した子供みたい・・・・。
みたことがないほどの満面の笑み。
あたしはガウリイの笑った顔が好きみたい。
この顔をされると弱い。
もともと顔がいいくせに笑うとかわいいなんて卑怯にもほどがあるわ・・・。
「どうした?たべるだろ?」
「あ、うん」
そういったものの、どれから食べようか迷う。
「俺ケーキから食べたい」
「えぇ〜、ケンタッキー食べないとさめるじゃない」
「あ。そっか」
「じゃぁ、お先!!」
「こらっ、俺に感謝してから食べろよリナ」
「いっただきま〜す!!」
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