忘却の中の光輝
その夜、隣の少女の部屋に誰かが尋ねて来た。
気配からするとどうやら少女と変わらないぐらいの年の子だろう。
男か女かはわからないが、少女とよく似たなつかしい気配だった。
「・・・・・・家からお迎えでもきたのか」
俺は少し寂しいような気がした。
これで俺は明日から一人になってしまう。
『あいつ』はみつかるんだろうか?・・・・・・・・・・・名前すらわからなくなっているのに。
もう俺は必要ないのか?
俺の事が嫌い?
もう一緒にいたくない?
・・・・・・・・・・・・俺は絶対にお前が必要なんだ。
空気がないと生きていけないように、俺にはお前がいないと・・・・・・・・・。
トントンッ
不意に俺の部屋のドアがノックされた。
「ガウリイ、『あいつ』がみつかったわ」
・・・・・・・・・え?
俺は一瞬耳を疑った。
だって俺にはみつけられなかったのに・・・・・・・・・・・。
みつける自信があったのに。
どうして・・・??
ガチャ
勝手にドアをあけて少女と少年が入ってきた。
少女は俺の顔を見るなりぷっと吹き出す。
「・・・・・なんて顔してんの?初めて見た、そんな顔」
「こんにちわ、僕はあなたが探してる人と一緒に旅をしている者です」
そう言ったのはまだ10にもなっていないだろう少年だった。
『あいつ』がなぜこんな子供と?
「なんで僕なんかと旅をしてるか疑問でしょうね」
「・・・・あぁ」
「あなたが悪いんです、すべて!!」
「そうよ、ガウリイがわるい!!」
「俺は何もしていない」
「まぁ、僕達がここに来たせいもあるんだけどね」
「それはしかたないでしょ」
「でも、あなたがしっかりしてればあの人は傷つかなかった」
「うん、そうそう」
俺には二人の言っている意味がさっぱりだった。
記憶が飛んでいるせいもあるだろうが、なにしろこの二人の事だって知らない。
知らない奴らに俺が悪いといわれても・・・・・・・・・・むかつくだけ。
「いっつもそうなんだよね、あなたがしっかりしていないからあの人はあなたの知らないところで傷ついてる」
「ほ〜んと、可哀想だよね。あんなにすごい人なのに」
「うん、可哀想だよ」
・・・・・・・なんで俺が知らないがきにここまで言われなければいけない?
だんだんと唇が引きつっているのがわかる。
「忘れるなんて最低!!」
「あなたならあれぐらいかわせた筈なのに、なんでよけなかったの?」
「ま、ここまでにしておこうよ。この一週間ガウリイも一生懸命探してたし」
「あの人だってずっと泣いてた、僕が慰めてもだめだったんだ」
「・・・・・・・だからあんたの出番よ、ガウリイ」
「あいつはどこにいる?」
「僕と一緒に隣の町にいたんだ、ずっと」
「な!?あいつの気配はずっとこの町だった!!」
「・・・・・・だろうね。あの人と気配がそっくりだから」
「・・・・??」
「あの人はまだとなりの街にいるよ」
「・・・・・今すぐにいく」
「それがいいね、まだ泣いてるから・・・・・」
その言葉に俺はぎゅっと胸が締め付けられた。
俺が泣かしてしまったんだろうな。
今すぐにいくから、だから、だから、泣かないでくれ。
その辺に散らばっている荷物を袋に適当に入れて、すぐに部屋を出ようとする。
が、二人に止められた。
「あたしが送ってあげるわ、その方が一瞬でつくわよ」
「ついでに僕がその中途半端な記憶喪失を直してあげる」
そういうと、少年が両手を俺のほうに向けた。
両手の中心が淡くひかりだす。
・・・・・・くらっとめまいがしたが、すぐに頭がスッキリした。
あ、わかった。全部わかった。
「どお?思い出した?」
少女に聞かれ、俺は首を縦に振る。
「そっ、じゃああの人のもとにいってらっしゃい♪」
「・・・あ、お嬢ちゃん達は一体?」
パァ―――――ッ
目の前がものすごく眩しくて、目をあけられない。
耳には二人のくすくすと笑う声だけが聞える。
「おい!なんでおれにそこまでしてくれるんだ?」
二人は答えずに笑っているだけ。
「教えてくれ!・・・・・・うわっ!!」
説明の出来ないような感覚が俺を襲い、二人の笑い声が遠のいてゆく。
そのうちに立っていられなくなり、片膝をついた。
・・・・・・・もう、あの二人には会えないのかなぁ。
そう思った瞬間、全ての音が止み何も見えなくなった。
『最後に一言だけいわせて、パパなんてだいっきらい!!』
「・・・・え?」
二人の声に驚き、思わず間抜けな声を出してしまった。
が、そんな事よりも驚いたのは目の前にあいつが、リナが立っている事だった。
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