光輝 揺らぐ

あたしの頭の中は真っ白で、いや、真っ黒かも・・・・・・シルフィールへの嫉妬とガウリイへの怒りとまだガウリイが好きな自分への怒り、そんな汚いものでいっぱいだった。
とにかくめちゃくちゃに飛んできたのでどこをどう来たのかさえわからない。たぶん2日は連続で飛んでたような・・・・・・・・。
とりあえずまわりの景色からすると、さっきいた町の隣の町のようだった。
隣の町といっても、この辺田舎なので歩いて10日ぐらいの距離はある。
「ここなら追ってこないわよね」
「誰が?」
「え!?」
声をかけられたほう、後ろに振りかえると小さな子がいた。
・・・・・・・6才ぐらい??女のこ?
「・・・・・あんた・・じゃない、お嬢ちゃん?こんな時間にどうしたの?」
自分で言った『おじょうちゃん』と言うフレーズに胸が痛んだ。
我ながら重症ね・・・・・・。
「僕は女のこじゃないよ?」
「え?あ、ごめんね、それで僕はなんでこんな時間にここにいるのかな?」
お嬢ちゃんと呼ばなくていい事に安堵し、そして気を紛らわせてくれる事に感謝したあたしは出来るだけ精一杯のやさしい声で再度聞く。
少年は子供扱いされた事に少し怒ったようだが、すぐににこっと笑ってくれた。
「おねーさんこそなんでこんなところにいるの?」
「あたしは旅をしてるからよ」
「そっか、一人で?」
「・・・うん、一人でね」
「嘘でしょ?嘘ついちゃいけないんだよ?」
真正面から見返してくる強い瞳に、あたしは思わずたじろいだ。
「・・・・嘘じゃないわ、さっき一人になっちゃったのよ」
そう、嘘じゃない。
あいつは別の人と一緒にいることを教会で誓うのだから。
あたしじゃなくシルフィールの選んだから・・・・・。
急に少年が背伸びをしてあたしの頬に触れた。
「泣かないで?」
「・・・え?あっ、ごめ・・・・・大丈夫、気にしないで」
「僕も一人なんだ、少しの間一緒にいてもいい?」
「なんで?親は?」
「え・・・・っと、その・・・・・」
少年の目が泳いだ。
言い辛そうな、困ったような目で。
「その・・・・・いるんだけどいないの」
いるんだけどいない??なんだそれは・・・。
言いたくない事を言わせるのも可哀想だし・・・・・・・あした役人の所にいって調べよう。
「わかった、今日はあたしと一緒にその辺に泊まりましょ?」
「うんっ♪」

「・・・・や・・・・・・こっちにいて・・・・・・」
まだ日も昇っていないため真っ暗な部屋で、リナの苦しそうな寝言が響いた。
少年は手を伸ばして頭を撫でる。
「ママ?泣かないで」
「・・・やだ・・・・・・・・・・いや・・・・・・」
「あんまりいい方法じゃないんだけど・・・・・ぶつぶつぶつ」
少年がリナの頭の上に両手をかざして呪文を唱える。
ぽぉっとオレンジ色の光りが現れ、リナの頭の中へすいこまれた。
「あなたは今食堂にいます、AセットからKセットまで全てただです、貴方は好きなだけそれを食べられるんです、さぁ、どうぞ?」
力が入っていたリナの顔が、ふっと和らいだ。
くちもとはにやっとしている・・・・・。
「・・・・・次ちょうだい・・・・・・・・・・Dも・・・・・・」
「はぁ、少しは楽になった?僕はママの味方だから、悪いのはどうぜパパなんでしょ?ずっと笑っててね」
眠っているリナににこっと笑いかけて、少年も眠りについた。