空色の証
カランカラン
ドアのベルが鳴る。
俺は右隅のピアノを見た。
そしてカウンターの一番端を確認する。
これはもうくせだ。
あの一ヶ月でついた癖。
「・・・・・・なつかしいな」
つい口元が緩んだ。
その瞬間だと思うんだが、リナがつないでいた手をそっと離した。
少しうつむいて遠慮がちにリナが口を開く。
「知り合いでもいる・・・の?」
「あぁ、リナにも会ってもらいたいんだ」
後ろ手にドアを閉めて懐かしい席に座った。
変わってない、ここはなにも・・・・。
「リナ、おいで」
呼ばれたりナは仕方ないような困ったような顔をした。
それにもかまわず手を引く。
もちろん俺の隣へ。
「あのさ、もしかしてあたしはここに居ないほうがいいんじゃないの?」
やっぱり少し困ったようなさみしそうな、でも怒気をちょっとだけ孕んだような声だった。
たぶん・・・・いや、絶対にこいつは勘違いをしてるんだろう。
「大丈夫、リナに会って欲しいんだから」
ぽんぽんっと軽く手をやる。
嫌がるでもなく、でもうれしそうにも見えないが手を振り払わなかった。
「・・・・そう」
わかってないな、これは・・・・・・・。
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