空色の証

何ともないようなというか知らん顔をしてるけど、本当はつまらないだろうに。
熱心にピンクの液体を見ているリナを見て俺はそう思った。
それをわかってて話さない俺も俺だな。
早いところ用事は済ませたい。
リナがカクテルを飲み終えるのを見計らって、彼女にあのセリフを切り出す。
「俺はナイトブルーに見えるか?」
「・・・・・・・・・」
彼女は黙った。
そしてそのままじ―ッと俺の瞳をのぞく。
俺はまるで裁判の判決でも待っているような、いたたまれないようななんとも言えないような不安で息が吸えない。
ちゃんと変われたよな、俺は。
ゆっくりと瞳を閉じて、はじめて大きく息を吸って、目を開くとそこには―――。
「ちゃんとスカイブルーをあげたでしょう?もうナイトブルーじゃないわ」
にっこりと笑った彼女は頭の中であの人とだぶった。
「そっか、それが聞きたかったんだ」
「かわいい太陽のおかげ、ね?」
「へ??」
自分のほうを見ていわれてはじめて気づいたらしい。
本当はリナの話だったことに。
夜だった空を朝にするのは太陽。
それでピンクサンだっけ?あのカクテルをおごりたかったんだろう。
そして俺にはスカイブルーを。
これでようやく宿題が終わった気がした。
後一個だけ、大きな課題が残ってるがな。
「リナのおかげなんだよ、彼女に会おうと思えたのは」
「なんで?}
「それはまたゆっくりな」
「ふ〜ん」
「ベットの中にしなさいよ、ガウリイ」
「・・・・・頼むからリナを怒らせるなよ、姉さん」
『はい!?』
別に合わせたわけでもないのにリナとマスターの声がっぴったりとはもった。
そうそう、マスターも知らないんだっけ。
「あら、まだ認めた覚えはないわよ」
彼女は茶目っ気たっぷりに微笑んで言う。
「スカイブルーくれたじゃないか」
「う〜ん、それもそうねぇ」
「大体、ひどいよなぁ。久しぶりに再会した弟に『あんたみたいな目の色の弟はいないわ』だもんな、いきなり・・・・・・・・」
「だって母さんはスカイブルーだったわ」
そう言うと、見事なプラチナブロンドの髪をかきあげた。
唯一母さんの全てを受け継いだ姉。
プラチナブロンドにスカイブルーの瞳。
そして何より・・・・・・・・。
「これでもとの弟ね、ガウリイ」
いすからひらりと降りた姉は、俺の頭にぽんぽんっと手をやった。
「・・・・・え?それって」
「母さんの癖だったのよ、これは」
にっこり笑ってリナにもぽんぽん。
リナはびっくりしながらもそれを受け入れた。