本当は・・・
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ガウリイは紙を片手に歩いている。
その紙には丁寧にきれいな字で待ち合わせ場所と時間が書かれていた。
紙によると、大きな木が植えてある公園を通り過ぎると丘が見えてくるらしい。
「大きな木?・・・・・あ、あった!!」
右手がわに大きな木がたくさんある公園が見えてきた。
公園が見えればもうすぐのはず。
ガウリイは心なしか足取が軽くなった。
「迷うかと思ったけど、大丈夫だな。なるべく早く帰れるといいな♪」
本当に小さな願い。
が、それは叶えられないだろう・・・・・・。
ガウリイが大きな木を見つけて間もなく、丘が見え始めてきた。
どこにでもあるような小さな丘。
木は全くないが、代わりに草がたくさん茂っている。
(今度みんなでピクニックにでも行きたいなぁ)
お弁当をがっついて食べる自分とリナの様子を思い浮かべて、思わず笑う。
「・・・・ぷっ・・・・お弁当たくさん持っていかなきゃな」
「ガ〜ウリイ♪」
急に後ろから声をかけられた。
「誰だ!!」
「私よ、そんな怒った顔しないで」
後ろにいたのはゼーラだった。
ガウリイに気配も気付かれずに近づいたようだ。
さすがは獣王といったところだろう。
「・・・気配に気付かなかった。すまん」
腑に落ちないガウリイだが、なにも疑わずに謝る。
ゼーラは満足そうに微笑んだ。
「いいわよ、別に。あなたなんかに気配を気付かれるようじゃ、やっていけないわ」
言葉に含まれた意味にガウリイは気付いただろうか。
人間なんかに私がわかるわけないわ、と言う意味に・・・・・・・。
「で、用ってなんだ?なるべく早く済ませてもらえないかな」
全く気付いていない・・・・。
一刻も早く帰りたいガウリイは話を促す。
「そう?あなたとはゆっくり話してみたかったんだけど・・・・・仕方ないわね」
ゼーラは右手をガウリイの胸の前にかざした。
ガウリイはなにも言わずにその様子を見ていた。
「お望み通りに早く帰してあげるわ・・・・・くすっ♪」
言い終わると同時に、ガウリイは真っ青なクリスタルに閉じ込められた。
かつてフィブリゾにやられたのと同じように。
クリスタルを目の前にして、ゼーラはうっとりと微笑む。
「なかなか綺麗なクリスタルねぇ。後は宿に戻すだけ」
再びゼーラは右手をかざす。
すると、小さな光がクリスタルを包みはじめる。
数秒すると、光もろともクリスタルは姿を消した。
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