どうしましょうか、僕・・・・・。
計画の内容はよくわかりませんがようするに二人がうまくいけば僕に被害はないわけですよねぇ?
絶体絶命のピンチの中でもゼロスは懸命に頭を回転させた。
自分に被害が来なくて、フィリアにも害はなく、この二人を満足させつつ、リナとガウリイをくっつける。
そんな都合のいい方法が・・・・・あるじゃないですか。
不意ににやりと笑った弟をゼラスが不審に思わないはずはなかった。
「なによ、逆らうきかしら?」
それと同時にルナの目も細くなる。
・・・・僕は獲物ですか?
ちょこっと悲しくなるも、そんなこと気にしている時間はない。
僕の計画通りにするためには準備がいる。
あの人にこれからセリフを叩き込まなければ。
しかしこれならば・・・。
ゼロスにはこの二人を満足させるだけの自信があった。
あとは殺されるよりも早く説明することだけ!
肩に張り付く手を振り払うとすぐに一定の距離をとって手短に提案を持ちかけた。
もちろん背中には冷たい汗が走ったことはいうまでもない・・・。



本番当日、その日は雲ひとつない晴れ・・・・とはいかなかった。
空には闇雲がたちこめて、遠くでは雷鳴が轟いている始末。
「・・・・僕、最近運がないんでしょうか?」
土砂降りの外を見つめ、ぽつりと不安を呟いた。

「さぁ、今日は本番です。リナさん大丈夫ですね?」
言う先に座っているのはいささか露出度が高めの深紅のドレスを身にまとう一人の美女。
少し緊張気味なのか、頬が高潮している。
もちろんチークなどはしていない。
軽く化粧はしてあるものの、舞台用とはいえないもの。
疑問に思ったリナだが、化粧すること自体が好きではないので何も言わなかった。
もちろんそれもゼロスの計画のうちなのだが、知るわけもなく。
大きく深呼吸をして、ゼロスのほうを向き直るとこくんと頷いた。
「では、姫」
片膝を着いて手を差し伸べる。
その手を硬い動作で握って、ゆっくりと立ち上がるリナ。
舞台ではもう幕が開いていた。