宣戦布告
<3>
体育祭もあと何競技かでおわリというところまでさしかかった。
残っている競技は騎馬戦・棒引き・部活対抗リレー・因縁走だけ。
リナが出るのは棒引きと因縁走。
ゼロスが出るのは騎馬戦と因縁走。
騎馬戦は今始まったようだ。
両側から、大将を先頭に歩き出してくる。
「あ〜あ、騎馬戦かぁ。あつくるしそ〜」
パンフレットをうちわ代わりにあおいでぶつぶつと文句をたれるリナ。
そのままぼんやりと騎馬戦を見つめていると信じられない物が目にはいった。
白組の先頭を切ってうまに乗って歩く大将の姿。
肩までに切りそろえられたさらっとした黒い髪。
相手の大将をにらみつける鋭い紫の瞳。
これはまぎれもなく・・・・・
「え!?ゼロスじゃない!!大将は3年じゃなかったの??」
リナは目を大きく見開いてその様子を見る。
他にも騒いでいる生徒がちらほら。
なかには、「ゼロス様〜♪」と黄色い声をあげている者もいる。
そこにアナウンスが入った。
『え〜っと、どうやら白組の大将は2年のゼロス君のようですね』
アナウンスに答えるように、ゼロスはにこっと微笑む。
それと同時に女子達が更に騒ぎ始めた。
「きゃ〜!!!」
「ゼロス様〜!!」
「かっこいい〜!!!」
『・・・・かなリ騒がれておりますが、そろそろ始まりますので静かにして下さい』
すばやくアナウンスの注意が入った。
「まったく、なんであれくらいの事で騒ぐのよ。ちょっと笑っただけじゃない」
リナはふんっとばかりにそっぽを向く。
自分の心臓が少しドキドキ言っているのも無視。
(べ、べつに、ドキドキいってるのは暑いからよ!!)
リナはそのまま白組を見ないように赤組を見つめた。
ゼロスは自分を乗せている3人に指示を出しながらどんどん勝ち進んでいく。
前から来ようと後ろから来ようとひらりとかわして相手を負かす。
(リナさん、見てくれてますかねぇ・・・・・・・)
心の中はこれだけだったりするのだが・・・・・・。
ゼロスはこっそりとリナのいる方をのぞいた。
リナはゼロスの方をまったく見ていない。
「・・・・そ、そんな・・・・」
ゼロスはぼそっと呟いた。
しかし、敵のはちまきをとる手はとめない。
(こうなったら、何とかして目立ちましょう。そうすればこっちを見てくれるはず!)
ゼロスの瞳が更に鋭く光った。
「さあ、もっと敵を倒しましょう!もっと敵のいる所へいってください」
自分を乗せてくれている人達に指示を出した。
|