宣戦布告
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ゼロスの大活躍で騎馬戦は時間より早く、棒引きや部活対抗リレーも終わり残すは「因縁走」のみとなった。
この競技は、参加者こそ少ないが生徒達の間では1番人気!!
体育祭ももうすぐ終わりだというのに、生徒達は異様な熱気に包まれる。
リナ達6人はトラックの中心に集まった。
このトラックは一周が200mある。
これを1人50mずつ走って、先に150m走りきった方のチームが勝ちとなっている。
その際、バトンやたすきなど不要な物は一切使わずただタッチすれば良い。
毎年そういうルールだった。
が・・・・・。
いきなりアナウンスが入る。
『え〜、皆様。今年から因縁走に新しいルールが加わりました。150mは区切りが悪いと言うことで今年からは200メートル、つまり最後の人は100m走る事になります。参加者の6名はがんばってください!!』
「・・・・・・・・・うそでしょう?」
「いいえ、本当ですよ♪最後は僕達ですからがんばりましょうね、リナさん」
「リナ、今回は負けるわけにはいかないんだがんばれよ・・・・・・アメリアがかかってるんだからな!」
「リナさん、がんばってくださいね」
「おぉ!!リナ殿、アメリアの友達ならぜひ負けてくれ!!こやつにわしの愛娘をやるわけにはいかんのだ」
「あんたに恨みはないが、ミリーナと俺の為に負けてくれ」
・・・・・みんなそれぞれ勝手な事を言う。
リナのこめかみに青筋が何本か見え隠れしているというのに・・・・・。
(ずいぶん勝手な事をいってくれるじゃない・・・・・・何が何でも勝ってやる!!)
リナの闘志がめらめらと燃えはじめた。
実はこの競技が始まる前、つまり部活対抗リレーの時・・・・・・・。
ゼロスは生徒会室に来ていた。
ゼロスの目の前にいるのはヴァルガーヴ。
そう、生徒会長は3年のヴァルガ―ヴなのだ。
素行が悪く絶対に当選しないだろうと思われていたのだが、同じく3年のフィリアのおかげで当選した。
そのフィリアは今、副会長をやっている。
息の合う二人は仕事を次々とこなしかなりの評価を得ていた。
「こんにちわ、ヴァルガーヴ先輩。暇そうですね」
嫌味たっぷりに言うゼロス。
だが、ヴァルガーヴは相手にせずかるくうけながす。
「あ?何か用かゼロス」
「いえ、たいした用ではないんです。ちょっとお願いがありまして・・・・」
「お前が俺にお願い!?お前お得意の裏工作とかならする気はない」
「いえ、裏工作だなんてとんでもない」
ゼロスはわざとらしく驚いて見せる。
「どうせ、因縁走のことだろ?」
ヴァルガーヴはふんっと外の方を向いた。
外には盛り上がっているようす。
生徒達の歓声が生徒会室にまで届く。
「おや?僕が参加すること知ってたんですか」
「まぁな、これだけ騒ぎになってれば誰でも知ってる」
「じゃあ、話は早い。距離を変えるように言ってもらえませんか?」
「・・・・距離?」
ヴァルガ―ヴが訝しげにゼロスの顔を見る。
ゼロスは珍しく両方の瞳を開くと、唇だけにこっと笑った。
「トラックは200mあるのに走るのは150mなんてつまらないじゃないですか」
「そうか?別にどうでもいいと思うぞ」
「だから、一組だけ100mにするように言って下さい。・・・え〜と、最後の組で良いんじゃないですか?」
「・・・・・つまりお前達2人か」
「まぁ、そうなりますね」
・・・・・・・・・・・・・。
2人の間に静寂が訪れた。
二人は全く動かない。
先に動くのは・・・・・・・・・・・・ヴァルガーヴ。
「それならかまわない。この事が害になるのはリナ=インバースだけのようだしな」
ヴァルガーヴは唇の端を持ち上げてにっと笑った。
ゼロスはいつものニコ目に戻る。
「では、なるべく早くお願いしますね。もうすぐ始まってしまうので」
「はいはい、わかってるよ。せっかく俺が協力したんだから絶対に手に入れろよ?」
「いわれなくてもそうしますよ」
ゼロスはヴァルガーヴを残し生徒会室を出た───。
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