それぞれの想い
<1>

ゼーラはその後、待ち合わせ場所と時間をメモに書きガウリイに渡した。
そのまま少し一緒に食事をすると、用事があるからと言い残し食堂をあとにした。
今、食堂には重い空気が流れている。
理由は簡単、リナが不機嫌になってしまっただけの事。
ただ、それだけの事なんだが・・・・・・・・。
「リナ、本当にいいのかぁ?」
「いいって言ってるでしょ!!」
怒りのボルテージは上がっていくばかり。
いつもより怒りっぽいのは気のせいだろうか・・・・?
ガウリイに聞かれれば聞かれるほど腹が立っているようなのだが・・・・。
ガウリイの方はと言うと、リナが怒っているのはわかっているのだがなだめる方法が見つからないらしい。
必死で声をかけている。
しかし、おもいっきし逆効果だったりする・・・・・・・・。
「リナ、もう食べないのか?」
「食べてるわよ」
「お!これうまいぞぉ!!」
「もう食べた」
と言った具合に全部空回り。
向かいに座っているゼルとアメリアは何も言えずに、ただもくもくと食事をしている。
たま〜に、ひそひそと話しているときもあったようだが・・・・・。
「この場合、リナさんが悪いんでしょうか」
「・・・・さあな」
「でも、リナさんの気持ちもわからなくもないんですよね」
「・・・・・・あとで盗賊いびりにでも誘ったらどうだ?」
ぴくっ
盗賊いびり、それはすなわち悪!!
・・・・・が、そんなこと言っている場合ではない。
アメリアの頭の中には、正義と友情が交互に浮かんできた。
(ああ・・・・・どっちをとればいいんでしょう!?)
そんなアメリアの苦悩がわかったのか、ゼルが助け舟を出した。
「さっき、この辺で盗賊が暴れまわっていて困ると話していたぞ」
「ほ、本当ですかぁ!困っている人達を助ける事、すなわち正義!!」
大声で叫びたい事この上ない所だが、ここはとりあえずひそひそと。
「じゃあ、あとで行って来い」
「はい♪」
さすがゼルガディス、気が利く奴だ。
一方リナとガウリイはというと・・・・・・。
まだ、空回りな会話を続けていたりする。
「なぁ、リナ」
「なによ」
「・・・呼んだだけ」
「じゃあ、呼ばないで」
「おぉ、これもうまいぞ」
「もう食べたってば」
「じゃあ、こっちは?」
「食べたわよ」
「なぁ、リナ」
「呼んだだけだったらぶっ飛ばすわよ」
「・・・・・・・・ごめんなさい」
「あっそ」
この不毛な会話は食事が終わるまで延々と続いた。


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