それぞれの想い
<2>
コンコンッ──
「リナさぁん♪」
リナの部屋に、ノックの音とともにアメリアの声が響いた。
ベットに横たわっていたリナはけだるそうにおきあがって返事をする。
「開いてるわよ」
ガチャッ
ドアが開くと、完全武装をしたアメリアが立っていた。
「どうしたのアメリア?」
アメリアはにこっと笑うと人差し指をびしっと立て。
ついでに瞳を燃やして───!!
「リナさん、盗賊退治に行きましょう!!」
突拍子もないセリフに、リナは呆気にとられるばかり。
根っからの正義娘とは思えない言葉。
しかも、こんな真昼間から盗賊退治だなんて・・・・・。
(頭でも打ったのかな・・・・・・・・・)
そう思い、アメリアの頭を観察してみるがそういった傷は見当たらない。
「こんな真昼間から盗賊退治だなんてなに言ってるのよ・・・」
リナはやれやれと言った口ぶりでそういった。
「最近頻繁に現れては、金目の物を奪っていくそうなんです」
「ふ〜ん、それならゼルとでもいってきたら?」
「え〜、いいじゃないですかぁ。行きましょうよぉ」
「今日はいやよ」
リナはアメリアから視線をはずす。
いつもは光り輝いているはずに瞳に、影が差していた。
アメリアはそれに気付かない。
仕方がないかもしれない、ガウリイですら気付けなかったのだから。
もし誰かが気付いていたら、未来は変わっただろうか・・・・・?
・・・・・・・・・少しは変わったかもしれない。
「じゃあ、明日行きましょうねリナさん」
そう言うと、入ってきた時と同じようににこっと笑い出ていった。
無理に連れていったら更に機嫌が悪くなるとでも思ったのだろう。
部屋に一人となったリナは再びベットに横になった。
ぼそっと呟く──
「・・・・明日・・・か・・・・・」
アメリアに返事はしていない。
屁理屈だが、約束をした事にはならないだろう。
しかし、罪悪感がリナを襲う。
これが一番良かったんだと自分を肯定化しても罪悪感は拭い切れなかった。
これから自分がする事と残された仲間のことを考えると胸が締め付けられる。
考えれば考えれほど苦しさは増す。
リナは目を閉じて、大きく息を吸いこんだ。
そしてそのまま一気に吐き出す。
「やめたやめた!!考えたって仕方がないじゃない。あたしらしくないわ!!」
リナはがばっとベットから飛び起きた。
「今日が最後だし、ガウリイでも誘って買い物にでも行こうかな」
買い物とはいっても、丸腰はまずいのでタリスマンとマントを取った。
「さ〜って、どこに行こうかなぁ・・・・・あっ、そうか・・・・」
急に手をとめるリナ。
「あの人と待ち合わせてるんだっけ・・・・」
(そうさせたのはあたし・・・・・・)
あの人とは、今朝来たガウリイの知り合い。
ゼーラ=リオム
ガウリイは覚えていないらしいが、向こうは会った途端に泣き出した。
もしかしたら深い関係だったのかもしれない。
「・・・・あたしの事も忘れちゃうのかな・・・・・」
右手のタリスマンをぎゅっと握り締めながら呟いた・・・・・・。
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