前兆
<1>
リナ達4人はいつも通りの時間に朝ご飯を食べに食堂に集まった。
今日はAからCまでのランチが半額だったので、いつもより多めにたのんだ。
たしか、いつもの2倍はたのんだはずだ。
「今日はいっぱいたのめるな、リナ」
「まあね、なんてったって半額なんだから食べなきゃ損よ!!」
右手を思いっきり握り締めて力説しまくるリナ・・・・・。
いつもは一人前しか頼まないゼルとアメリアもこっそり3人前ずつたのんでいた。
アメリアはフォークとナイフを両手に持って嬉しそうに待っている。
そんなアメリアに、ゼルが苦笑しながら言う。
「アメリア、あいつらじゃあるまいし少しは落ち着け」
その言葉に、アメリアはすねた子供のように頬を膨らませた。
「だってぇ・・・・・。ここのランチはおいしいって有名なんですよぉ」
「だから3人前もたのんだのか?」
「ゼルガディスさんも3人前たのんだじゃないですかぁ」
「ま、まあな・・・・・」
そんなことをやっていると、この宿の主人が涙を流しながら料理を持ってきた。
一人では持ちきれない量なので、ウェイトレスが3,4人こちらも涙を流しながらやってくる。
「お、お待たせいたしました・・・・・・しくしく」
持ってきた料理を見て、3人の声がはもる。
「わ〜〜〜い!!!ごっはん、ごっはん、ごっはんちゃ〜〜〜ん♪」
「おいしそうですねぇ〜〜♪」
「たくさん食うぞぉ!!」
ただ一人静かにしているゼルは宿屋の主人に声をかけた。
「おい、主人」
その声に、主人はみごとに怯えてしまった。
「は、は、、はいぃ〜・・・・・な、なんでしょうか、まだ注文されるおつもりですか・・?」
「いや、俺はもうたのまない。あいつらは知らないけどな」
その瞬間に主人の顔は血の気が引いた。
奥にいた女将さんは倒れている。
「やっぱりな、他に客がいないからおかしいと思ったんだ。あいつか?」
ゼルはがつがつ食べているリナの方を見る。
主人は首を縦に振った。声を出さずにひたすら首を振り続ける。
「すまんな、たぶん脅しにいったんだろう?」
主人はさっきよりも強く首を振る。
後ろのウェイトレスまで首を振っている・・・・・・。
その様子にリナは気がついた。主人をにらみつけながらやさし〜く話しかける。
「なによ、文句あるわけぇ〜?」
やさしい声なだけにかなり恐い。
しかも喋りながらも、ガウリイとの戦いは続いている。
キィンキィンという金属音が絶えない。
「い、いえ、めっそうもありません。どうぞごゆっくりしていってください!!!」
そう言い残して奥へ引っ込んでしまった。
ウェイトレスもぺこっとお辞儀をすると、主人を追いかける。
その時、一人の女性が店の中に入ってきた。
そして、四人の姿を見ると目に涙をためてゆっくりと近づいてきた。
長い黒髪の美人だ。
髪形が似ているせいか、シルフィールに雰囲気が似ている。
が、その瞳はどこか冷たい感じの紫。
その女性は四人の前に立つといきなり叫び出した。
「ガウリイ!!会いたかった・・わたし・・わたし・・・・」
そのまま泣き崩れる女性。
この人は一体・・・・・・・?
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