ゼラス様流 飴とムチ?
<前編>

そこは誰も入れない空間。
あるのは闇と2つの影のみ・・・・・・・・・・。

「ねえ、ゼロス」
金髪の美女が目の前にひざまずいている漆黒の髪の青年に声をかけた。
ゼロスと呼ばれた青年は少し顔を上げて応える。
「はい、なんでしょう。ゼラス様」
「飴とムチって知ってる?」
突然の妙な質問に動揺したが、顔には出さない。
「はい、知ってはいますがそれが」
なにか?と言おうとしたところでゼロスは袋を渡された。
袋には何かが入っているようだ。
「中を見てごらんなさい」
言われた通り中を見ると、黒と紫のマーブル模様の飴が入っていた。
なんとも言えない不気味な色。そのうえ形は星型とハート型だったりする・・・・・・・。
「飴・・・・ですね」
いやな予感が押し寄せてくる。
顔はかろうじて笑っているが、冷や汗は止まらない。
「飴とムチを上手く使えって言うでしょ?いつもこき使ってるから、たまには飴をあげげなくちゃね」
「あ、ありがとうございます・・・・・」
だいぶ引きつってはいるがとりあえず笑って礼を言う。
「じゃあ、食べて」
ピキーン・・・・・・・・・・・・
さすがのゼロスもこの一言に顔が凍りついてしまった。
誰が見てもあやしい飴。
しかも、作ったのはおそらくゼラスだろう。
どんな味もといどんな効果があるかは・・・・・・・・。
しかし、ゼロスには創造主であるゼラスに逆らう事は出来ない。
覚悟をきめて星型の飴を口に入れる。
その途端体中から煙が出始めた。
ぷしゅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「・・・・・・っくう・・・・うぅっ・・」
ゼロスはその場にうずくまった。
その様子を相変わらず笑ったままゼラスは見つめている。

少し立つと徐々に煙が収まってきた。
煙でぼやけていたゼロスの顔がだんだんはっきり見えてくる。
・・・・・・・・何かが違う。
「あら?失敗したようね」
「え?失敗って・・・・・・・・・・」
不安そうな顔で恐る恐る自分の体を見てみると・・・・・・・・・・。
「うわぁ〜!!!!!!」
思わずゼロスは絶叫する。
「ふふっ、かわいいわよ(はあと)」
「か、からだが小さくなっちゃいましたぁ・・・・・・」
見た目は5,6歳のかわいい男の子。
誰もゼロスだとは思わないだろう。
「うぇ〜ん、元に戻してくださいよぉ〜」
ゼロスが泣き出した。
そんな事はおかまいなしにゼラスはゼロスの頭をなでなでする。
「か・わ・い・い
「・・・ひっく・・ひどいですぅ、ゼラス様〜・・・・うぇ〜ん!!」
更に泣き出すゼロス。
これは滅多に見られない光景だろう。
あのゼロスが今はちびゼロスになっている。
ちびゼロスはとってもかわいらしい。
「はいはい、そのうち戻るわよ。いつまでも泣いてないで遊びに行ってきたら?」
「こんな姿でリナさん達のところに行ったらからかわれるだけです!」
その言葉にゼラスはにやっとする。
「だれもリナ=インバースの所に行けなんて言ってないわよ?」
ゼラスのするどい突っ込みにゼロスは慌てた。
「その・・あの・・・・え〜っと・・・・」
「それに、ゼロスだなんてだれも思わないわよ」
そのと〜り!
この姿でゼロスだと思えというほうが無理である。
神官の服だと怪しまれるかもしれないが、町の子供の服を着れば平気だろう」
「あ!それもそうですね。じゃあ、会うついでにリナさんも小さくしてきます」
そう言うと、ゼロスはにっこりと笑った。
もちろん、無邪気な子供の笑みではなくいつもの笑みで・・・・・・・・。
「そう、いってらっしゃい」
「いってまいります、ゼラス様」


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